レノファ山口FC

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明治安田生命J2リーグ 第42節

維新みらいふスタジアム

10月23日14:00Kickoff

レノファ山口FC

レノファ山口FC

VS

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ジェフユナイテッド千葉

いよいよ最終戦! 攻守に主導権を握り、レノファらしく戦い抜こう!

例年よりも早くシーズンが進み、今シーズンは10月23日が最終戦。レノファ山口FCはホーム戦で今シーズンを締めくくります。

レノファは前節、V・ファーレン長崎に1-0で勝利し勝点3を手にしました。対長崎戦の初勝利となっただけでなく、勝点も50ポイント台に乗せています。2018年の勝点61には及びませんが、4年ぶりに50ポイントのラインを突破し、今節も勝つことができれば、J2リーグを初めて戦った2016年に並ぶ勝点53に到達します。

また得失点差に着目すると、現在は50得点51失点でマイナス1。最終戦を勝ちさえすればマイナスの状況から脱却し、2点差以上の勝利ならばプラスに転じられます。プラスで終われれば、J3リーグを戦った2015年以来7年ぶり。今節は勝点53への伸長と得失点差のプラス化という両方にも期待が懸かる試合です。

 

攻守で主導権を握った長崎戦。得た自信を今節につなげよう!

 

前節は序盤からレノファが主導権を握り続けました。相手のフォーメーションとほぼ同じ4-2-3-1の形を組み、プレスを掛ける相手がはっきりしていたことも良い方向に作用。20.田中渉選手、49.梅木翼選手を中心に相手の出どころを規制し、長崎に良い状態ではボールを持せませんでした。

逆にレノファがボールを持てば、各選手が流動的に動いてパス交換を繰り返し、シュートチャンスやセットプレーのチャンスを創出します。得点もセットプレーからで、14.橋本健人選手の蹴ったコーナーキックに20.田中渉選手が合わせています。

 

セットプレーはキッカーと受け手の関係性や質に目が行きますが、シュートを決めた田中選手もアシストした橋本選手も「チームで取れた得点」と胸を張ります。

 

「チームで取れた」という言葉には二つの含意があり、一つにはチームで組織的に攻め、その結果としてセットプレーのチャンスが得られたということがあります。もうひとつは試合直後に田中選手が「武石コーチがデザインしてくれていたもの」と話したように、武石康平テクニカルコーチが中心となって考えた形を選手が遂行し、見事に得点に直結したというスタッフを含めたチームプレーがありました。

 

最近はセットプレーが大きなチャンスになっていますが、セットプレーも「チームで取れた得点」だと言い切れるところにも、相互の信頼や一体感が垣間見えます。

 

チームディフェンスも機能し、最終盤は5-4-1のブロックに切り替えてしっかりと逃げ切りました。もちろんたくさんの得点を取って、最後まで相手ゴールに向かえるのがベストですが、終盤も守備への切り替えやカバーリングのスピードは落ちず、「交代して入った選手も時間を稼いでくれたりして役割を果たしてくれました」(6.渡部博文選手)とチーム一丸で1点を守りました。

前半は攻撃で圧倒し、後半は守備でもしっかりと戦えたレノファ。長崎戦で得た自信と勢いを駆って、今節は複数得点での勝利を手にしたいものです。

 

堅守に豊富なアイデアで立ち向かおう!

 

最終戦の対戦相手はジェフユナイテッド千葉です。千葉もJ1昇格プレーオフ進出の可能性がなくなり、今節は何かが懸かっているという試合ではありません。心理的には難しい状況にあるかもしれませんが、尹晶煥(ユン・ジョンファン)監督の退任が決まっており、3年間の集大成を見せたいというモチベーションは高いのではないかと思われます。

 

千葉は前線に明確なターゲットを置き、シンプルに縦に当てたり、両サイドのスピードを生かしてカウンターで一気に攻め上がったりと、縦の鋭さが武器です。最前線の櫻川ソロモン選手はボールが収まる選手で、櫻川選手を起点に見木友哉選手、兄弟対決となる高木俊幸選手などが絡んでフィニッシュシーンを形成します。

 

見木、高木の両選手には前回対戦でゴールを許しており、レノファはターゲットマン以外へのケアも怠ることはできません。

 

ただ、レノファは前節、長崎のエジガル・ジュニオ選手を確実に抑え、セカンドボールも良い形では渡していません。それはチャレンジ・アンド・カバーの関係性が良かった上に、全体の距離感も良かったという証左でしょう。今節も前節通りのメンタリティーでやれれば、相手のパワーに負けることなくゴールを守れるはずです。

 

もっともレノファの最終ラインの顔ぶれはまだ分かりません。10月18日の公開練習では3対3のミニゲームを行いましたが、引退する2.菊地光将選手と6.渡部博文選手も良いパフォーマンスを披露。試合に絡めてはいませんが、3.ヘナン選手、47.上本銀太選手もはつらつとボールを追っていました。

 

名塚善寛監督の「1週間しっかりとトレーニングを見た中で先発とサブを決めています」(前節試合後のコメント)という選考方針に変わりはありませんが、この良い競争の中から、引退を決断した両選手が先発を勝ち取るのか、ベテランの背中を見て学んできた若い選手がスタメンをつかみ取るのか、選手選考も楽しみです。

文が長くなってきましたが、最後に攻撃のポイントも少しだけ触れておきます。3-4-3のフォーメーションを採用する千葉はブロックが堅いだけでなく、帰陣スピードも素早く、大崩れがありません。ボールを単に回すだけではウイングバックや最終ラインの背後を突くというのは難しそうです。

 

試されるのは個人と組織のアイデアです。長崎戦で見せたようなワンタッチのパスを連続させたり、ミドルシュートを放ったり、対角のランニングを見せたり、あらゆる手を打って相手の選手配置をずらす作業が求められます。言うなれば16.吉岡雅和選手や20.田中渉選手の豊かな発想が生きてくる試合だとも表現できます。

もっとも現実的な決定機はカウンターとセットプレーに限られるかもしれませんが、そうなると名塚監督や武石テクニカルコーチの発想の出番。再びチームが一つになって相手に立ち向かう90分間となりそうです。

 

今節は最終戦であり、2.菊地光将選手、6.渡部博文選手が現役生活に別れを告げる試合です。

ホームで迎えるラストゲームを勝利し、笑顔で両選手を送り出したいですね! 最高のゲームを作るには、選手の奮闘や監督・コーチたちの頑張りだけでは足りません。

やはり維新劇場はサポーターの力があって完結するみんなのシアター。「最後は笑ってみんなでヤマグチ一番を歌いたいです」とは渡部選手。その瞬間を全員の力で創っていきましょう!


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