明治安田生命J2リーグ 第20節
維新みらいふスタジアム
6月5日14:00Kickoff
今シーズン2度目の5連戦を戦っているレノファ山口FC。
今週水曜日の天皇杯2回戦では立ち上がりに11.島屋八徳選手のゴールで先制すると、一度は追いつかれますが、延長戦で19.沼田駿也選手が勝ち越し点を決め、勝利を引き寄せました。
島屋選手のゴールはレノファが攻勢に出ていた最序盤に生まれたもので、5.佐藤健太郎選手とのコンビネーションからネットを揺らしています。
沼田選手は7.石川啓人選手のクロスボールから決めましたが、クロスの直前では2種登録されたばかりの45.上村音生選手が関わってのゴールシーンでした。
アウェイ戦での勝利がなかったレノファですが、天皇杯とはいえ敵地で勝てたのは大きな収穫で、出場機会の少なかった若い選手が活躍し、チーム全体にも良い刺激を与える試合となりました。
この勢いに乗り、連戦最終日のリーグ戦も勝利で飾りたいですね!
今週末の試合で対戦するのはザスパクサツ群馬です。
大槻毅監督が指揮を採る今シーズンは、堅守速攻のスタイルに選手全員のタフさが加わり、より手強いチームになったという印象を受けます。自陣に引き込んでロングカウンターを狙うばかりではなく、高い位置で奪い返したり、ボールを運んでチャンスを作ったりと、攻撃のオプションはいくつもあります。
その中でも際立つのはサイドからの攻撃です。左サイドは山根永遠選手が縦横無尽に動いてチャンスを作り出し、右サイドはパス精度の高い風間宏希選手、後方からオーバーラップする小島雅也選手などがクロスボールや背後へのフィードで決定機を創出しています。
一番の警戒点は山根選手のサイドで、レノファは最後まで運動量を維持して最後まで強度高く戦わなければなりません。山根選手はツエーゲン金沢でプレーしていた2020年はFWでプレーし、レノファとの試合ではルカオ選手(現・松本山雅FC)のゴールをアシスト。翌年に所属した水戸ホーリーホックではサイドハーフからゴールに迫っています。
ドリブルで推進力を出していく強さがありますが、DFの間やライン間のマークのしづらいエリアに顔を出し、一瞬で背後を取っていく動きもあります。確実に動きを抑えていく必要があり、対峙する7.石川啓人選手、22.生駒仁選手などに加え、途中からピッチに入る選手たちも高いテンションで臨まねばならないでしょう。
もちろんレノファとしてはボールの出どころとなる相手のセンターバックやボランチにプレスを仕掛け、パスを出させないことも大切です。
ただ、プレッシャーを掛ければ掛けるほど、早いタイミングでサイドに送り出されるもリスクもあり、闇雲にプレスを掛ければよいというわけでもありません。
ハイプレスはレノファらしい手段ですが、前線に限ればプレスの掛け方には工夫が必要です。
また、レノファは1週間前の横浜FC戦で、ディフェンス時に5バック気味のフォーメーションを採りました。
そうすることで相手のサイドからの進撃を抑えつつ、強力なFW陣にはピンポイントでマークしてロースコアの展開に持ち込んでいます。
横浜FC戦向けの特別仕様とも言える戦術でしたが、群馬のストリングポイントが明らかな相手ですから、名塚監督が守備面でどのような采配をするかも見どころです。
レノファの攻撃も左右で異なる形になるかもしれません。
右サイドは押し下げられてしまう可能性もありますが、逆に一枚をはがせば後ろにスペースがあり、スピーディーにボールを運んでいけるでしょう。右サイドは守備面で警戒必須のサイドですが、その分、前進しやすいとも言えます。
逆に左サイドは相手からのプレッシャーを感じながらボールを進めていくことになるでしょう。
14.橋本健人選手、20.田中渉選手を中心に丁寧に崩していく作業が求められ、良い立ち位置を取りながら、球離れ良くサッカーを展開できるかがカギを握ります。
もっとも天皇杯2回戦で、左サイドでのプレーが多い島屋選手と沼田選手がゴールを挙げているのはチームにとって追い風。フィニッシュまで左サイドを崩し切るという瞬間もあるでしょう。
ただ、どこから攻め上がったとしてもボールの失い方には要注意!
イージーミスでロングカウンターを食らうと、自分たちのエネルギーを削ってしまいます。この連戦ではそういうシーンが何度かあり、失点にもつながっています。攻撃が行き詰まってパスコースが狭くなりそうなら、センターバックやGKまで下げて攻撃を作り直したり、距離があってもシュートで終わるというような選択も必要です。
5連戦の5戦目はやはり体力的な厳しさは避けられません。
これまでの試合よりもバックパスが多くなったり、可能性の低そうなシュートが多々あるかもしれませんが、5連戦の疲労と気温を踏まえれば、「失うよりは良い」という考え方で試合を見たほうがよさそうです。
また、天皇杯で活躍した若い選手たちがホームのみらスタでプレーすることも考えられます。
タフな戦いが予想されるサイドの強度を保ち続けたり、攻撃の矢を持ち続けたりするために、フレッシュな選手たちにも期待大。天皇杯で勝利した勢いをそのままに、みらスタでも勝利を掴み取りましょう!