明治安田生命J2リーグ 第18節
NDソフトスタジアム
5月25日19:00Kickoff
今年2回目の5連戦を戦っているレノファ山口FCは今節、中2日の日程でモンテディオ山形と対戦します。
相手の山形はレノファとは異なり中3日のスケジュールで、なおかつホーム戦。コンディション面では山形が有利なのは言うまでもありませんが、レノファは総力戦で相手を上回って、勝利を引き寄せたい試合です。
山形は今年もピーター・クラモフスキー監督が指揮を取り、ボールを保持して相手ゴールに迫っていくサッカーを実践しています。フォーメーションは4-4-1-1を採用し、各ポジションにはレノファでプレーした選手が含まれます。
特に注目が集まるのは川井歩選手でしょう。
岩国市出身で昨シーズンまでレノファのサイドバックやウイングバックで出場。レノファでのプレーを通じて1対1の強度が上がったり、戦術的に動いてクロスボールから決定機を作ったりと、飛躍的な成長を見せていました。山形でも左サイドバックで定位置を得ており、出場する可能性は大。名塚監督も「歩がどれだけ成長しているかも楽しみ」と話します。
また、俊足FWの加藤大樹選手も2016年から17年までレノファに所属していました。ツエーゲン金沢を経て、2020年から山形でプレーしており、今シーズンはすでに2得点を奪取。いずれも右からのグラウンダーでクロスに合わせています。山形はボールポゼッションに強みがあるとはいえ、加藤選手のスピードはカウンター攻撃の武器にもなり、レノファ守備陣にとっては警戒を怠れないFWです。
GKの藤嶋栄介選手は今年はファーストチョイスではありませんが、リザーブメンバーに選ばれる機会が多く、第8節のファジアーノ岡山戦では早い時間に退場となった先発GKに代わって出場。0-1の敗戦に終わったものの、確実にロースコアの展開に持ち込んでいます。
そうした元レノファの選手たちが要所でプレーしていますが、そのほかのメンバーに注目すると、今年はJ3リーグが舞台となっているギラヴァンツ北九州に所属した選手が多いのも特徴かもしれません。練習試合や関門海峡ダービーを通じてよく対戦してきた顔ぶれもいて、中盤の幅広いエリアでプレーできる國分伸太郎選手、サイドアタッカーの新垣貴之選手、最前線でゴールに迫る鈴木国友選手の3選手はいずれも18人の中に選ばれる可能性があります。
ボールを大事にするレノファや北九州にいた選手が出場機会を得ていることからも、山形がコンビネーションを大事にし、周りを生かせる選手で構成していることが分かります。
そんな山形の連係面で気をつけなければならないのは、やはり精度高くボールを送り出せる選手たち。ボランチの藤田息吹選手、右サイドハーフから縦へと動いていく國分選手などは自由にさせたくはありません。
レノファは前節も彼らとマッチアップする左サイドから失点を喫しており、長崎戦後に名塚監督が「軽いプレーをすると、これだけのクオリティーがあるチームには突破されて決定機を作られる」と語気を強めた失点シーンを繰り返すわけにはいきません。守備への切り替えの速さ、ボールを奪いきるくらいの強度の高さを意識して、今度こそサイドからの突破を防ぎたいものです。
一方でレノファの攻撃面では、前節のポイントと同様にスムーズなボール運びが必要です。
レノファと相手のフォーメーションの組み合わせを考えると、レノファが左サイドでボールを持てば18.高木大輔選手など右ウイングの選手、右サイドを攻め上がれば左の19.沼田駿也選手などが空いてきます。この逆サイドの選手たちを最終局面で生かせると得点につながるチャンスは大きく高まります。
しかし、中途半端なボール回しをしていては「逆サイド」というものが発生しません。前節は最終ラインでの横パスや球離れの悪いドリブルなどが目立ってしまい、どっちつかずの攻撃が散見されました。やはり左なら左でボールを進め、右なら右で崩しきるくらいの力強さが求められます。
中2日というタイトな日程のためメンバーが大きく入れ替わる可能性はありますが、引き続いて、より良い立ち位置を取って、リズム良くボールを動かすことにチャレンジすべきでしょう。そのためには、古巣対戦でもあり中央でタクトを振れる5.佐藤健太郎選手、相手に知っている選手が多くサイドバックでもプレーできる22.生駒仁選手など、ポゼッションに積極的に関われる選手たちの動きに注目です!
そのように今節も細かな部分にこだわって戦うことで道は開けてきそうですが、もっと大きな部分のゲームの入り方や閉じ方も本当に重要です。過去3試合ともにゲームの立ち上がりや最終盤に失点。前節に限れば試合の立ち上がりと前半のアディショナルタイムに失点し、改善が進んでいないことを示してしまいました。
ましてや今節は6.渡部博文選手が累積警告で出場停止。その分、一人一人が責任感を持ってゲームを全うしていく必要があります。また、前節は31.寺門陸選手がフィールドの外から大きな声を掛け続けていて、サブメンバーの頼もしさも感じました。集中力が切れやすい時間帯ではこうした声は大きな意味を持ってきます。
中2日かつキャプテン不在というのはピンチではありますが、フィールドの11人だけでなく、ベンチメンバーやコーチングスタッフ、サポーターも合わせた総力戦で戦い、アウェイの地で勝利を引き寄せたいですね! 水曜日のナイトゲームを現地で、あるいはDAZNの画面越しにエールを送り、再び良い流れを作っていきましょう!