レノファ山口FC

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明治安田生命J2リーグ 第23節

維新みらいふスタジアム

6月26日19:00Kickoff

レノファ山口FC

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VS

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ヴァンフォーレ甲府

新たな地平に立つ生駒仁 サイドバックで放つ鮮烈な輝き
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横浜F・マリノスからの期限付き移籍で3年間、ギラヴァンツ北九州でプレーしてきた生駒仁選手。
今年はレノファへの完全移籍を決断し、開幕戦はセンターバックで出場しました。

4節目以降はメンバーから外れてしまいますが、「自分のプレーの安定感がなかったと思っています。メンタルの部分も、基本的な止める蹴るの技術の部分も、今までよりも意識して取り組むようにしました」と課題克服に着手。ひたむきにトレーニングに打ち込み、名塚善寛監督は「下を向くことなく前向きにやってくれている。チャンスは絶対に来る」と練習姿勢から評価していました。

 

そのチャンスを掴んだのが5月25日のモンテディオ山形戦でした。右サイドバックで先発してタフに上下動し、「想像以上にアグレッシブにしっかりと戦ってくれた」と監督をうならせる躍動。その後はこのポジションで定位置を獲得し、レノファのピッチに立ち続けています。

 

板に付いてきたサイドバックでのプレーを生駒選手本人は「必死に頑張っています」と謙遜しますが、パス出しやスペースへの動きは洗練され、本職のサイドバックがするような動きを終始見せています。

 

「持てる人に渡して、できたスペースに動く。それが今、自分ができることだと思ってやっています。どこにスペースが空くかは見ながらやっていますが、だんだんと動きが掴めてきて、イメージしやすくなってきました」

 

そのパス・アンド・ムーブを最初に披露したのが、昨シーズンの北九州でのプレーでした。新型コロナウイルスや負傷者の影響でサイドバックが不足する中、生駒選手は小林伸二監督(当時)に見出されてサイドバックを実践。右サイドハーフの高橋大悟選手(清水)、主力ボランチの針谷岳晃選手と連係してビルドアップに加わり、パスサッカーのピースに収まっていきました。フォーメーションの異なるレノファでもウイングやインサイドハーフとのパス交換に応用でき、生駒選手は「去年やっていたのが今年につながっていると考えています」と話します。

 

ただ、今年はパスワークに加わるだけではありません。フィニッシュシーンに関わる意識も強く持ち、より高い位置でプレーする機会が増えてきました。

 

第20節のザスパクサツ群馬戦では3.ヘナン選手のフィードがスイッチとなって、生駒選手はするするとシュートゾーンに進出。18.高木大輔選手のパスから鋭くシュートを放ってゴールを脅かしました。この前半12分のプレーでコーナーキックを獲得し、今度は20.田中渉選手のキックに再び生駒選手が頭で合わせ、シュートを放っています。

「(高木選手からの)パスを受けた時にファーストタッチが大きくなったというのはありましたが、前にスペースがありました。大輔くんの『振り抜け』っていう声が聞こえて、その時にはシュートしか狙っていなかったです。自分ではシュートは得意なほうだと思っています。チャンスがあればどんどん狙っていきたいです」

 

ミッドウィークのヴィッセル神戸戦でもレノファのファーストシュートを放ったのは生駒選手でした。ミートはしませんでしたが、左サイドから入ったクロスボールの跳ね返りから右足を振り抜いています。この場面が示すように、「逆サイドからクロスボールに入る時には、高さがあるので合わせる動きはやっていきたいと思います」と、クロスを生かした攻撃でも生駒選手は存在感を高めてきています。

また、生駒選手が入れるクロスボールもFWに合うようになってきました。13.大槻周平選手が復帰してターゲットが明瞭になったのもプラス材料で、「こういうところに出して欲しいという話はお互いにしています」と練習中から大槻選手と息を合わせてチャンスシーンを作っています。

 

高さはもちろん守備でも武器になり、相手のウインガーよりも先にボールに触ることができます。来たるヴァンフォーレ甲府戦でも守備時の高さで生駒選手に分があり、背後を取られないための強度や追い込み方では天皇杯の経験を生かせるでしょう。

 

「サイドバックもセンターバックもどちらもやれればチームとしてのオプションは増えますし、個人としてもプレーの幅が広がります。サイドバックでは攻撃するのも楽しく、前に前にという意識でやっていています」

前に、前に――。

サイドバックという新たな地平を切り開き、レノファのサッカーをもっとわくわくさせる生駒仁選手。今節も爽やかにも熱く、ゴールを目指して戦っていきます。甲府戦での躍動に注目です!


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