レノファ山口FC

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明治安田生命J2リーグ 第10節

維新みらいふスタジアム

4月117日14:00Kickoff

レノファ山口FC

レノファ山口FC

VS

matchschedule

東京ヴェルディ

魅力あるフットボールの応酬 目の離せないホーム戦!

今年のJ2リーグは傾向として、自分たちでボールを保持し、主導権を握って攻めるチームが多くある印象があります。シーズンが進んでいけば勝負に徹した戦い方に変わるチームもあると思いますが、全体的にはレノファと似たようなスタイルのチームが増えてきています。

 

ロングカウンターがファーストチョイスではなく、ボールを自分たちで持ちたいチームですから、強度の高いプレスで前線で奪い返したり、精度の高いパスワークで攻め崩したりする魅力的なプレーがあちこちで見られますし、そういうチーム同士が対戦するゲームでは必然的に目の離せない展開が続きます。そして今週末の試合もそうなるに違いありません!

 

日曜日に対戦する東京Vは伝統的にパスサッカーを志向してきたチームです。ボールを持って崩すというスタイルではレノファから見れば大先輩。今年はピッチを広く使ったパスワークを見せつつ、チャンスを決めきる質の高いフィニッシュワークを併せ持って、上位を快走しています。

おそらく試合は、アクチュアルプレーイングタイム(実プレー時間)が長く、息つく暇もないゲームになるはずです。

 

 

ベースにこだわり、パスの質を高めよう!

 

そんな東京Vとの対戦ゆえに、レノファも本来のパスワークを取り戻さないといけません。前節のベガルタ仙台戦では自陣でのパスのクオリティーが低く、簡単に相手にボールを奪われていました。パスの出し手のボールコントロールが不十分だっただけでなく、受け手もプレッシャーをはがせるほどの動きがなかったのも要因です。

 

相手が10人になってからはボールが動くようになりましたが、ミスが続いたのにはJ1に長くいたチームの「圧」を感じていたのかもしれません。名塚善寛監督は「ホームの仙台さんの雰囲気や相手の2トップのキャラクターの部分で押し切られる部分もありました」と話します。目に見えない部分の圧が、技術の差をより大きなものにしてしまったと言えるでしょう。

 

ただ、仙台戦で差を体感したことで、レノファが向き合うべきベーシックな課題が明確になったのは収穫でもあります。チームは早速、技術とメンタリティーの一層の向上に着手。オフ明けの13日には、全体練習の最初に基礎的なパスコントロールのメニューを組み、細かいところにこだわってプレーすることを意識付けしています。

もちろん技術は一朝一夕には上がりませんが、出し手と受け手の関係はすぐにでも改善できます。頭を働かせて良い立ち位置を取ったり、声を掛け合ったりすることで大きく変わりますし、基礎練習を重ねると仲間の特徴も見えてきます。

 

出し手と受け手の関係改善は、相手ゴール近くまで押し込んだときのクオリティー向上にもつながります。6.渡部博文選手は「最後の部分の精度や狙いの部分で、出し手と受け手のところが噛み合わなかったシーンがありました。自分たちがクリアしなければならない課題だと思っています」と振り返り、課題克服での攻撃の質向上に目を向けていました。

基礎から相手への対策まで、今週はかなりハードな練習になりました。その成果を東京V戦では発揮しなければなりません。そして東京V戦は、仙台戦の反省を生かせる試合でもあります。

 

東京Vは基本のフォーメーションは4-3-3でレノファと同じですが、守備時には4-4-2のフォーメーションに変化します。相手の守り方はオーソドックスですから、レノファは相手を動かした上で、ライン間でボールを受けて中央から崩したり、クロスボールやスルーパスでFWを走らせたりするのが得点への早道。フィニッシュにつながるプレーに特別なものはいりません。

 

仙台戦のために用意したものを東京V戦でも生かしつつ、ボールの質にもっとこだわりを持ってやっていければ、複数得点も叶えられます。まさに反省とトレーニングの成果の出番。出し手と受け手の関係性を改善し、久しぶりにレノファでゴールを挙げた9.岸田和人選手をより生かせるプレーを出せるかが勝負の分かれ目です。

 

 

注意したい東京Vのトライアングル

 

東京Vはパスを使った組み立てを得意としているチームです。それは最初に述べた通りですが、特に注意しなければならないのが中盤の3人です。

 

中盤は逆三角形の形で、3人のうち2人はほぼ固定したメンバーとなっています。一人はアンカーの山本理仁選手、もう一人はインサイドハーフの梶川諒太選手です。あとの一名は試合によって変化していますが、いずれにしてもボールを扱うのが上手く、効果的に周りを動かしています。

 

前線もゼロトップのようにポジションにとらわれずに動き、得点に結びつける力があります。ただ、どのような攻撃であっても中盤を経由してボールが動いていますので、まずは逆三角形のメンバーに視界良好な状態でボールを触らせないようにしなければなりません。

 

気をつけたいのは流動的だという点です。東京Vの攻撃時は4-3-3のフォーメーションであり、いわゆるミラーゲームの形。レノファが対面する選手に対して守備を仕掛けるというのは、「普通は」決して難しいことではありません。しかし、東京Vは逆三角形を構成する選手が入れ替わったり、センターFWの選手がかなり低くまで降りてパスを受け渡したり、小池純輝選手など経験のある選手が逆サイドまで顔を出したりと、ポジションにとらわれずに動いています。

 

Aという選手と対面するからといって、その選手を深追いしすぎてしまうと、思わぬスペースを相手に与えてしまうことになります。チームとしてどこからプレッシャーに行き、どこまで追い込むか、その判断を研ぎ澄まして戦わねばなりません。

 

判断が共有できるには少し時間が掛かります。もしかしたら試合最序盤ではプレッシャーがはまらずに、相手にボールを持たれてしまう時間帯があるかもしれません。危ういピンチも覚悟しなければならないでしょう。

 

それでも試合が進めばプレスがはまる場所は見えてきますので、我慢すべき時間を耐えられれば、レノファにも余裕が出てきます。入りが悪そうに見えても、相手の逆三角形を困らせるような守備は必ずできるはずです。

 

したがって、強度が高く、中盤でバチバチとやり合うようなサッカーは、おそらく前半15分を過ぎるくらいから起きてくるのではないかと思われます。そして!、そこからは強度とクオリティーが勝負の時間。古巣戦となる18.高木大輔選手をはじめ、8.佐藤謙介選手、26.神垣陸選手など若手からベテランまで、バチバチと戦える選手たちのショータイムの幕開けです。もちろん名塚善寛監督も強度に対して真正面から挑んで行く考えを示します。

 

「(東京Vは)中盤やアタッカー陣にはスキルが高く若い選手もいます。伸び盛りのチームで、勢いもあります。そういう相手に対しても自分たちがひるまず、自分たちのサッカーをどれだけできるかは、本当に楽しみでもあります」

 

フットボールの魅力が開花し、熱いバトルが繰り広げられる東京V戦。レノファらしさを前面に出して勝ちきれたなら、レノファは新しいページを開けることができるでしょう。前節の反省を踏まえて前に進もうとするチームを今節も熱くサポートし、みらスタの大きな力で勝点3を掴み取りましょう!

 

 


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