明治安田生命J2リーグ 第13節
維新みらいふスタジアム
4月30日14:00Kickoff
レノファで5年目のシーズンを迎えている3.ヘナン選手。今シーズンは第4節のFC琉球戦でスタメン出場し、その後は毎試合、先発としてピッチに立ってきました。ハードな日程の5連戦に入ったため、前節は先発やベンチからも外れて、山口で調整。万全のコンディションで次なる試合に備えます。
ヘナン選手は今年も基本的には6.渡部博文選手とコンビを組んで、センターバックで試合に出ています。レノファでのプレーで課題としているのが「守備でのカバーリングと背後を取られないようにすること」の2点ですが、昨シーズンと比較しても格段に成長し、背後を取られる場面は減りました。
相手の動きに対する読みを研ぎ澄ませ、確実にファーストボールを跳ね返したり、相手の突破するスペースを消したりと、プレーの安定感は飛躍的に向上。1対1の強さも変わらず、ハイボールにも落ち着いて対応しています。今節も対峙するFW陣は高さや一瞬で背後を取るスピードがあり、ヘナン選手の粘り強い守備が無失点ゲームへのカギを握ります。
また、前節の試合ではヘナン選手は出場しませんでしたが、失点シーンを繰り返さないために、チーム内での守備の共有は不可欠です。2年前のシーズンは5連戦が続き、「トレーニングがあまりできず、前の試合で起きたミスの修正の時間があまりなかったです」(ヘナン選手)という状況がありましたが、その反省を踏まえて短い時間を有効に使って調整を急ぎます。
今年は攻撃の第一歩としても存在感を発揮しています。2節前の水戸ホーリーホック戦でもヘナン選手からの縦パスが攻撃のスイッチになりました。左足でのパスはスピードがあり、渡部選手が見せているプレーと同様、相手を誘い込んでの縦パスはそれ一つで数人を置き去りにしています。
名塚善寛監督は攻守両面でヘナン選手が「良いパフォーマンスを出せている」と話し、3月のインタビューでは「ヘナンは僕が山口に来た時からの付き合いですが、ブラジル人というよりは日本人のような感じ。性格も分かっていますし、若い頃に比べるとメンタル的にも成長してきました」とコメント。メンタル面での成長がプレーの良さを引き出していると話します。
縦パスの良さは練習試合などでトライしたボランチでの視野も生きています。2020年までさかのぼりますが、ケガから復帰したあと一時的にせよボランチでプレー。ヘナン選手は中盤からピッチを眺めたことで「ビルドアップやパスの質、サイドチェンジのタイミング、ゲームを読む力もボランチの経験があったからこそ、より良くなってきていると思います」と話しています。センターバックというポジションにとらわれずにチャレンジしたことが、パスによるゲームメークの質向上につながっています。
前節はパスのスイッチがなかなか入らなかっただけに、今節の試合でヘナン選手がピッチに立ったならば、縦パスの供給にも期待が懸かります。
さらにヘナン選手はセットプレーでもターゲットの一人になっています。キッカーとは「お互いにコミュニケーションが取れています」とヘナン選手自身が話しており、日本語でも意思疎通は問題なし。昨シーズンも7.石川啓人選手に「思い切り蹴るというよりは、ボールを上げてくれればそれに合わせる」と話して実際にゴールシーンが生まれました。レノファはセットプレーでいろいろなアイデアを持ち込んでおり、ヘナン選手のセットプレーからのゴールシーンも楽しみです。
守備に、攻撃に、セットプレーにと見どころの尽きないヘナン選手! もちろん一番は守備の要として「失点しないこと」。ホームゲームでは失点が増えてきているチームを救い、ボールを奪えば攻撃の最初のスイッチを入れる大車輪の活躍に注目です!