

レノファ山口FCのイレブンが久しぶりに維新みらいふスタジアムで躍動する。前節の試合で勝点1を積み上げ、連敗をストップ。長いトンネルをようやく抜けた今は、勝利を純粋に追い続けるのみだ。維新のスピリットを胸に、秋めくみらスタで強いレノファを見せつけよう。
前節のロアッソ熊本戦はドロー決着となったが、内容面では相手を大きく上回った。前線からのプレスがはまって9.若月大和が先制点を挙げたほか、その得点につながるパスカットで好機を作った38.末永透瑛は、オフサイドにはなったものの後半にはゴールネットも揺らしている。攻撃面の手応えは大きく、末永は次のように話す。

「常にあの場所に入っていくことは自分自身も狙っていましたし、練習通りのプレーでした。今後もあのような場面というのは起きてくると思うので続けたいです。前からのプレスも強く行くことでヤマトくん(若月大和選手)のゴールという結果が出たので、試合を重ねるごとに良くなってきていると思います」
残念ながらレノファがJ1昇格プレーオフに進むことはできなくなったが、チームが開幕前から掲げていた勝点55以上と総失点45以下という目標は未だ手が届くところにある。熊本戦で得た自信をみらスタでは勝点3に昇華させていきたい。
迎えるのはヴァンフォーレ甲府だ。過去の対戦成績は4勝5敗4分でほぼ互角。3月30日の前回対戦はレノファが2-0で勝利しており、ロングスローの二次攻撃から40.平瀬大が先制点を決め、試合後半には20.河野孝汰が放ったシュートのこぼれから19.山本駿亮が追加点を挙げた。前線に人数を掛けたことがゴールに直結したが、今回も同じように攻撃での迫力を出せると相手のブロックを突き破れるだろう。
ただ甲府の守備は連動性が高く、隙は決して多くはない。レノファの攻撃が外回しになってしまうと相手に楽に守られてしまうため、相手を上回るには中央に人とボールを入れていく場面を増やす必要がある。
カギを握るのは内側でボールに関わる機会が増えている16.吉岡雅和や熊本戦で相手陣中央から積極的に足を振った37.田邉光平などだ。9.若月大和や30.奥山洋平、38.末永透瑛などが背後へのランニングを見せるのもポイントになるが、彼らよりも手前でフィニッシュシーンを作る選手たちの動きは一層重要になる。もちろんペナルティーエリア前後は33.山瀬功治がテクニックで違いを見せるエリアでもある。

良い攻撃ができれば、相手の個の力にさらされる場面も減らせそうだ。相手は今季ここまで8得点を挙げているピーター ウタカ(背番号99)、前回対戦でシュートを積極的に放ったアダイウトン(同51)をはじめ、3試合連続で先発している三平和司(同9)、多彩な攻撃を繰り出す鳥海芳樹(同10)など脅威となる選手が並ぶ。チャンスメークに長けた荒木翔(同7)が出場停止ではあるが、彼らに自由にボールを持たせるわけにはいかない。
レノファは良い攻撃を続けてボールを自ゴールから遠ざけ、相手の個が仕事をする時間を減らすのが最善策だろう。良い攻撃、良い守備、そしてまた良い攻撃を繰り出すというポジティブな循環を続けていければ、勝機は必ず呼び込める!
久しぶりにみらスタに帰ってくるレノファイレブンのモチベーションは高く、サポーターの声援をエネルギーにして今節も熱いサッカーを繰り広げていく。
秋の色に染まるホームスタジアムで最高の結果へ。
オレンジの力を一つに重ね合わせ、白星を掴み取ろう!

リーグ戦に3試合連続で先発している41.下堂竜聖が、苦しい状況下にあったチームに安定をもたらそうとしている。前節のロアッソ熊本戦では1失点こそ喫したが、3.ヘナンと組んでピンチの芽を摘み、連敗を止める勝点1を呼び込んだ。
「アグレッシブに前から奪いに行くことを相手も嫌がっていました。それがレノファのサッカー。それを取り戻せてきているのはプラスです。継続し、質の部分も突き詰めて、ぶれることなくやっていきたいです」
今節はJ2屈指のFW陣を揃えるヴァンフォーレ甲府に立ち向かうことになるが、「目の前の試合に全力で、みんなで同じ方向を向いていきたい」とベクトルを揃えて勝点3に挑む。
落ち着いたプレーを見せる下堂は鹿児島県出身で、地元の樟南高から大学サッカーの強豪・福岡大に進学する。ただ卒業後のJリーグ入りは叶わず、地域リーグ(当時)に所属していた高知ユナイテッドSCへの加入を決断。高知は1年でJFLに昇格し、下堂も次第に中心的な選手の一人となっていった。2021年末にはJ3ヴァンラーレ八戸から声が掛かり、Jリーグへの道が開いた。
下堂は高知が発表したリリースの中で移籍への葛藤を明かしつつ、「チャレンジするなら今しかない。自分の夢のためにまだまだ成長を止めてはいけない」と思いを語った。八戸でJ3リーグ戦にデビュー。ケガに悩まされた時期もあったが、約束した「成長」を続け、八戸とカターレ富山で活躍。そして今夏、八戸時代に下堂を指導した志垣良監督が率いるレノファからオファーが届いた。
9月29日のベガルタ仙台戦で初めてJ2リーグのピッチに立つと、大量失点が続いていた守備を落ち着かせる役目を果たし、失点は減少基調に転じた。熊本戦では58分に自陣からのフィードで9.若月大和を走らせ、コーナーキックを得るという場面も作る。下堂は今や守備の統率力も縦の供給力も発揮し、J2が初めてだとは思えない戦いぶりを見せている。
「自分は下から這い上がってきたので、ここで自分を出さないというのは、過去の自分からしたらもったいない。常にのびのび戦うことは心がけている」
下堂は気負わず戦えている理由をそう説明する。そして、「自分がのびのびやることもそうですが」と言ってさらに言葉を続けた。
「みんながのびのびできるように声を掛けています。自分がおどおどしていたら周りに伝わらないので、自分からそういうのを出して伝染させ、前線でボールを失っても俺らがいるから大丈夫だということを言い続けています。そういう声掛けをどんどん出していけば、良い方向に行けると思います」
次の試合に出れば、下堂は初めて維新みらいふスタジアムでユニフォーム姿を披露することになる。迎える相手は甲府。サポーターに待望の勝点3を届け、下堂自身も成長を確かなものにするホーム戦にしていきたい。
「みんなでやっていければ結果は自ずと出てくると思います。自分が入ってまだクリーンシート(無失点試合)がないのでそこは目指したい。残りの3試合とも失点0で行くつもりで、ディフェンスライン、キーパーと声を掛け合いながらやっていきます」
28歳で挑むJ2を、のびのびと、しかし大胆に戦っていく下堂竜聖。鹿児島、高知、山口と維新の地を一歩ずつ踏みしめてきた道のりを自信に変え、チャレンジャーを待つスタジアムで勝点3を掴んでみせる。


熊本戦はプレスに行くところもはまっていて、相手にうまくボールをつながせなかったです。自分たちのやりたいことはある程度できた試合だったと思います。前節までは準備期間が長くあったので、その時間でもう一度、自分たちのやり方を整理しました。そこが出せて内容としては良い試合ができたと思います。
風下でもチャンスが作れていたので、そういうコンディションになっても影響はないと思います。ただ、チャンスを多く作ることができて、シュートに行けるところも多くありましたが、得点が足りないのはすごく感じています。クロスまでは行けているので、あとは最後のところの質。今週は練習でもクロスのところはやっていますが、動きの質も含めてやっていきたいです。
甲府は前線の選手たちのクオリティーが高いイメージがあります。本当に一発のチャンスで仕留めてくるという印象があるので、そこに気をつけないといけないですが、甲府に対しても自分たちのサッカーをやっていくことが大事だと思います。連敗を止めたのはポジティブですが、自分たちはまだ勝ちきれていないので、勝ち切れる力は今後もチーム力として付けていかないといけないと思います。
熊本では風がある中でしたが、思い切りシュートを打てました。ボールに関わり続けることは自分の特徴なので、そういうところは出していきたいと思います。中盤でもボランチがボールに関わっていくほうが試合は良い形で進められると思います。相手を後ろ向きにさせることも大事なことですし、背後に出すと相手も嫌がっているので、相手を後ろ向きにさせるということは自分たちのところからも狙っていきたいと思います。
甲府とは前回対戦では出ていないですが、個が強い選手が揃っている相手でもあるので、そこに負けずに強度の高い試合をやっていきたいと思います。リスク管理のところはチームでも確認してきた部分でもありましたし、前よりも良くなってきていると思います。ただまだまだチャレンジ・アンド・カバーの部分はしっかりやっていかないといけないです。
ここまでを振り返ってみると、1シーズンが本当に早いというのが率直な感想です。ただ、アシストする、得点を取るというところは成し遂げられていないので、残り3試合、そこは本当に貪欲に狙っていきたいと思います。
前節フォーメーション
前節ハイライト
前回対戦ハイライト
スタッツ
ヴァンフォーレ甲府 PICK UP PLAYER
三平和司選手(背番号9)
嗅覚鋭い甲府の得点源
レノファ守備陣との対決に注目
髪型もプレースタイルも特徴的なヴァンフォーレ甲府の9番、三平和司に今節は要警戒だ。前節のジェフユナイテッド千葉戦では、右サイドから攻め込んだ鳥海芳樹のクロスボールを中央で呼び込み、強烈なシュートを放った。これは枠を捉えられなかったが、6分後には今度は左からのクロスに飛びついてヘディングシュート。GKがセーブしたこぼれにアダイウトンが詰めてゴールに叩き込み、先制点の流れを作り出した。
三平はワントップやシャドーで起用され、チャンスには必ず顔を出す。9月にはコーナーキックに合わせたシュートと流れの中からの強烈なミドルシュートで2試合連続ゴールを決め、前節も得点につながる活躍を見せた。シーズン終盤もコンディションは良さそうだ。
守るレノファはゴールへの嗅覚が鋭い9番をフリーにはできない。ただ甲府は精度の高いボールを出している荒木翔が累積警告で出場停止となっており、より早いタイミングで三平にボールを渡す可能性もある。油断は大敵。3.ヘナン、41.下堂竜聖を中心に守備組織を固め、ボールがない段階から彼が自由に動けるゾーンを狭めたい。
INFORMATION