

1週間前のアウェイでのザスパ群馬戦に勝利し、後半戦の好発進に成功したレノファ山口FC。今節は前回対戦を2-1で勝利しているいわきFCをホームに迎え、リーグ戦の2連勝を目指す。
レノファイレブンは今週はきらら博記念公園でトレーニングを行った。かなり気温が高い中での練習になったが、4位に浮上したチームに慢心は感じられず、球際への厳しさを貫き、パスの質にもこだわった。妥協のない練習は熱気に満ち、志垣良監督は次のように抱負を語る。
「サポーターの皆さまの期待感が我々にも伝わってきます。期待感が我々を大きくしてくれているという相乗効果も生まれています。なんとしてもこれを継続してやっていけるように、さらに面白いサッカーを展開し、また足を運んでもらえるような姿をお見せしたいと思います」
実際に今節のいわき戦は、その期待感をさらに高めてくれるような試合になるだろう。今節も空模様が不安要素ではあるものの、ハードワークするサッカーは同じ。5月12日の前回対戦ではレノファがいわきの良さを出すよりも前に20.河野孝汰の先制点で試合を動かし、優位にゲームを運んだが、今節もなるべくならば早い段階で得点を決めていきたい。
いわきは1カ月半前の対戦と同じで、3-1-4-2のフォーメーションを組む。攻守がしっかり組織されており、大崩れすることもなく現在も8位に位置する。
試合でカギを握るのは距離感の良い前線のプレーヤーたちだ。メンバー選考で読めない部分もあるが、2トップに入ると予想される10.有馬幸太郎と17.谷村海那、トップ下の7.西川潤と10.山口大輝の4人は攻撃の要。メンバーが入れ替わっても、前線の4人の流動性はレノファにとって脅威になる。
特に西川はドリブルや背後への動き出しでアクションを起こしたり、後方からの縦パスの受け手になって高い位置に起点を築いたりする。変幻自在なプレーヤーに自由を与えたくはない。レノファはケガから復帰した18.相田勇樹、群馬戦でも存在感を見せた37.田邉光平などが主導して西川などに前を向かせない守備を徹底したい。
レノファの攻撃面では背後とセカンドボールがポイントになる。フォーメーション自体は前節の群馬と似ている部分があり、相手ウイングバックの背後を狙う作業や手薄になりやすい相手ボランチの周辺でのセカンドボール回収が、攻撃の優位性を保つことにつながる。
また、群馬戦では9.若月大和と24.梅木翼を中心とした細かな連係でワンボランチ周辺のスペースを攻略し、決勝点につなげた。若月は「セカンドボールを拾い、コンパクトな中でショートパスをつないでゴールまでの流れを作れた」と攻撃に自信を見せる。この成功体験をホームでも見せられれば最高だ。
天候が少し悪くなれば、ショートパスよりは浮き球が増え、空中戦に強い梅木や19.山本駿亮を生かす場面は増えるだろう。それでもやはりハードワークしてセカンドボールにいち早く反応する必要性は変わらない。いわきも攻守の切り替えが早いチームだが、レノファは90分を通して相手を上回る熱量を持って戦い抜きたい。
もちろん、熱く戦う選手を後押しするのは、土曜日のナイトゲームをオレンジに染めるサポーターの熱量だ。ミニキャンプを張った群馬遠征を終えて山口に帰ってきたイレブンを今宵も熱くサポートし、さらに上の順位に手を伸ばせる位置へと押し上げよう。
上位快走の夏へ、さあ魂を揺さぶる試合がキックオフの時を迎える!
「一番はチームが勝つこと。複雑ではありますが、バランスを崩さずに無失点で行けたというのは、前向きに捉えたいと思います」
前節の群馬戦は後半14分から左サイドハーフで試合に入ると、最終盤は5バックの右で守備に集中した。1-0のクリーンシート。勝点3を得るホイッスルをピッチ上で聞き、勝利の貢献者になったのは間違いないが、生粋のアタッカーでもある68.野寄和哉のその言葉には小さくない悔しさがにじんだ。
野寄の魅力は悔しさのベクトルを自分に向けられるメンタリティーだ。群馬戦ではピッチに入る前には「カットインしてシュートに行こう。どんどん仕掛けていってもいい」と志垣良監督から声を掛けられた。カウンターに備えたポジショニングも意識し、期待通りのプレーを目指したが、アタッカーの本領発揮の場面はついに訪れなかった。スコアが動かない以上、終盤の5バックは想定内。「ネガティブな選択ではない」と守備に走って相手のストロングを消すことに集中する――。
3月20日の徳島ヴォルティス戦が今季初出場で、5月はほとんどの試合でスタメンに名を連ねた。ただリーグ戦の直近3試合はベンチスタート。16.吉岡雅和の後塵を拝する形には見えるが、確かなベクトルを持つ野寄がそこへの不満を口にすることはない。
「僕はヨシくんの良さをリスペクトしていますし、自分のサッカー選手としてのこれからにつなげていきたいと思っています」と語り、こう続ける。
「ヨシくんが良いプレーをしてくれているので、僕も途中から出たら攻撃のスイッチをさらに強く入れることができる。そういう関係にあると思うので、今はスタメンだからとか途中出場だからとかということより、与えられた時間の中で、自分のできることをやるだけ。前向きなプレーを続けていけば、左や真ん中でもギアを上げていけると思います」
実際に野寄は今、吉岡のポジションをそのままトレースするのではなく、前節のように左のサイドハーフで投入されたり、トップ下でのアクションを求められたりしている。ポジションに応じたプレースタイルの変化も今後の見どころになるだろう。右では背後を狙い、左では相手を背負いながらボールを受け、巧みに仕掛ける機会を増やしている。
いわきとの前回対戦では、20.河野孝汰のゴールを正確なクロスでアシストした。野寄には同じシーンの再演にも期待が懸かる。もちろん群馬戦での不完全燃焼は、ホーム戦で得点直結のプレーをするための糧になる。
「攻撃の部分では、相手の守備はタイトに来るのでそこをうまくはがすことが大事。シンプルに背後とか、食いつかせて背後とかの縦に速い攻撃も可能性があると思います。左だとドリブルをしやすいし、中央もずっとやってきています。どこで出ても本当にゴールやアシストにつなげていきたいです」
気鋭のアタッカーがゴールを見つめるホームゲーム。どこからでも、どの時間からでも貪欲に駆け出していく68.野寄和哉の気迫に満ちたプレーに注目だ。

今シーズンは昨年の試合に出られない悔しさを噛み締めた上で、自分のやるべきこと、自分の価値をもう一度高めるためにやっていかないといけないことを、覚悟を持ってやってきています。ここまで4得点を取れていますが、まだまだもっと取れる試合はあります。これに満足せずに、自分自身が敵だと思ってやっていきたいと思います。
1試合も負けたくないですし、全部を勝つくらいの気持ちでやっていく中で、後ろが最少失点で抑えてくれていますので、前線の選手が点を取って勝つだけだと思います。残りの試合を全て勝つくらいの気持ちで、プレーオフ圏内ではなくて、1位、2位を争える順位にいたいです。
いわきさんは本当にアグレッシブに全員で頑張ってきますし、個の強さもあり、クロスからのシュートも多いです。レノファがやることは変わらないですが、今は全員で良い守備ができていると思いますし、それを継続できれば負けないと思います。勝点もそれほど変わらない相手ですので、上を目指す上でも負けられない。とにかく勝ちたいです。
リーグ戦の前半戦も点を取ったあとにボールを持たれるという場面は多かったです。チーム内ではいかにそういうところで主導権を握り返せるかというのは課題として明確に出ています。勝点3を積み上げていくためには難しい課題ではありますが、良さん(志垣良監督)を先頭にそういう課題に立ち向かっていくという姿勢がチーム全体にあります。良い方向に行く日は近いと個人的にも思っていますが、そうなるようにやらないといけないという使命感もあります。
後半戦は慢心が出たら崩れてしまうので、勝点3を取れてもまだまだ反省点があるとチームメイト同士で高め合っていくことが大事だと思います。良い結果が後半戦も続けば良いですが、そう簡単にはいかないとも思っています。人生もそんなに甘くないですし、J2も甘くないです。ただ、気持ちを引き締めて、最後でみんなで笑えるようにしたいと思います。
J2はどこも手強い相手ですし、やるべきことは前半戦よりも後半戦のほうがはっきりしています。それに加えて、1試合すでに対戦しているので相手も分析もしてきます。それを上回る力を出さないと勝点3はもぎ取れないと思います。そのためのパワーを出すことに集中していきたいと思います。
前節ハイライト
前回対戦ハイライト
スタッツ
いわきFC PICK UP PLAYER
生駒仁 選手(背番号22)
天皇杯2回戦で無失点に貢献
古巣対戦のセンターバック
2022年と23年の2シーズンにわたってレノファに所属し、リーグ戦47試合で3ゴールを挙げた。センターバックがメインのポジションだが、右サイドバックでのプレーもあり、攻撃のスイッチにもなるプレーヤーだ。
いわきFCに移籍した今季はリーグ戦ではなかなか出場機会に恵まれないものの、ブラウブリッツ秋田と対戦した6月12日の天皇杯2回戦では右のセンターバックでフル出場を果たした。36分には生駒の右サイドへの鋭い縦パスが呼び水となって攻撃が広がり、有馬幸太郎の先制点につながった。その後も生駒は右サイドのボール回しに関わったほか、守備では無失点に抑えてチームの3回戦進出に貢献している。
ボールを持つと精度高く最善のエリアにボールを送り、守備やセットプレーでは長身を生かしたエアバトルでも力を発揮する。天皇杯での活躍もあって古巣戦に出場する可能性もあるだろう。試合に出れば19.山本駿亮や24.梅木翼などのレノファのターゲットマンとのマッチアップが想定される。フィジカルでもたくましくなった選手たちの迫力あるバトルに注目したい。
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