

2試合を終えて1勝1分で勝点4を手にしているレノファ山口FC。今日は今シーズン最初のアウェイゲームで、いわきFCと対戦する。(本稿ではDAZN等で視聴する際の手助けとなるよう、相手チームの選手には背番号を入れていくので、参考にしてほしい)
いわきは昨年のJ3を優勝したチームで、レノファが公式戦で対戦するのは初めて。
選手構成はJ3リーグを戦ったメンバーが中心で、補強としては期限付き移籍で岡山からテクニックのある宮崎幾笑(背番号28)、東京Vから経験豊富なGK高木和徹(背番号21)などを獲得。
そのほか大卒ルーキー、高卒ルーキーを多く迎え入れた。
J3を戦ってきたメンバーが中心のため、レノファからみれば対戦したことのない選手が多くを占める。
ただ、特徴を持った選手が揃っているのも事実だ。
いわきのフォーメーションは4-4-2。
FWの有田稜(背番号11)は昨季のJ3で17得点を挙げ、J3得点王に輝いた。
手にしたのは得点王だけでなく、リーグMVP、リーグベストイレブンも戴冠した折り紙付きのストライカーだ。水戸と対戦した前節はフリーキックの流れからボレーシュートをしずめ、J2初ゴールを決めている。
背後への動き出しが良く、レノファの守備陣にとっては要警戒選手に挙げられる。
有田の隣でプレーするFW谷村海那(背番号17)は中盤でのプレー経験があり、チャンスメーカーとしても期待が懸かる選手。前節はコーナーキックの流れからMF永井颯太(背番号20)のラストパスを引き出し、ゴールネットを揺らしている。2トップの谷村、有田はともに国士舘大出身で連係も抜群だ。
左サイドバックのDF江川慶城(背番号35)はロングスローがあり、精度が高いボールをゴール前に送る。
中盤の両サイドはドリブルを使った打開力があり、上述の永井は左から、右サイドハーフのMF嵯峨理久(背番号8)は右から仕掛けて行く。
「嵯峨は高校(青森山田高)の同期で、会えるのは楽しみ。人間としても素晴らしい。出られれば公式戦で対戦するのは初めて。(クロスには)チームとしてしっかり対応したい」
嵯峨についてそう話したのはレノファの高橋秀典。
サイドが違うためにマッチアップする機会は少ないが、嵯峨の仕掛けには注意を払う。
そんないわきのベースとなる戦い方は前線からの厳しいディフェンスと奪ってからの速攻だ。
対人守備の強度、帰陣スピードの速さはJ2の中でも高い部類に入るだろう。
いわきはスポーツ用品メーカーの日本代理店と提携し、トレーニングメニューの強化を図ってきたが、その成果が強度の高さにつながっている。
公式戦での対戦はないが、レノファは2018年11月におのサンサッカーパークでいわきと練習試合を戦い、地域リーグに所属していたいわきに2-4の苦杯。レノファはリーグ戦最終戦の翌日でモチベーションの違いがあったとはいえ、強度に苦しめられた。
名塚善寛監督は北海道コンサドーレ札幌のコーチ時代にも天皇杯(2017年2回戦)で対戦しており、「いわきさんは当時から変わっていない」と話し、こう続ける。
「縦にもパワーを持ち、信じて走ってくる。そこの勢いに負けないように、受けないようにしないといけない。より自分たちからプレッシャーに行く。蹴らせない。蹴られてもしっかりと跳ね返してセカンドボールを拾いたい」
試合としては、レノファが相手のプレスをいなしながらボールを持ち運び、シュートチャンスを多く作ることがカギを握る。相手のプレスを嫌って「逃げのパス」を出したり、安易にクリアボールで逃れていては相手の土俵に上がってしまう。名塚監督はセンターバックにもしたたかさを要求しており、生駒仁や松本大輔は相手のプレッシャーを逆手に、ひょうひょうと前にパスを出していきたい。
ホームでの2試合とは全く異なる内容になると思われるが、相手のサッカーに勢いがあるのはレノファにとってはポジティブな要素でもある。
よりリズミカルで、よりダイナミックなサッカーが見せられるはずだ。新しいチームを相手に、佐藤謙介や矢島慎也がどこに攻撃の糸口を見いだすかも楽しみな試合になる。
レノファは前節の磐田戦でハーフタイム中の修正が生き、後半は押し込む時間を作ることができた。そのようにハーフタイムでどういう修正をするかを想像するのも、15分間の楽しみでもある。
手助けとなるのがDAZNの画面に表示されるデータだ。前半が終わったあと、画面には、シュート▽枠内シュート▽ボール支配率▽パス&パス成功率▽オフサイド▽コーナーキック▽ファウル▽警告数――などが表示される。
いわき戦の場合、例えばボール支配率はレノファが相手を上回ることが予想され、55パーセント程度は持っていると思われる。
この時、支配率とシュート数がリンクしていればレノファが主導権を握れていると考えて良さそうだが、逆にボールは持っているけれどシュートが少なければ、『ボールを持たされている』とも表現でき、実際の主導権はいわきにあるかもしれない。
オフサイド数も参考になる。(最善はオフサイドに引っ掛からずにボールを受けることだが、それは置いておくとして)数字が多ければ、それだけ相手最終ラインの背後を狙う動きが多いということ。対してオフサイドがほぼ0であれば、相手の最終ラインは下がり気味で、それほど後背にスペースがないという可能性もある。
もちろんラインの高い、低いは感覚的なもので、見方によって意見が分かれることもある。ただ、DAZNの次の画面で示される平均ポジション▽アタッキングサイド▽選手別シュート数――などのデータも合わせて、「ラインは高めかな?」「やはり低そうだな」と考えたり議論したりするのもおもしろい。
ボールを持てるから勝てるとも限らないのがサッカー。
前半の数字を見て名塚善寛監督の脳内を想像し、次の一手を考えたり、「自分ならこうする!」と語らうハーフタイムにしても良さそうだ。

2023年2月28日現在