

今週は激動の一週間となった。1週間前の6月3日に維新みらいふスタジアムでV・ファーレン長崎と対戦。ミッドウィークの7日には、リーグ戦で対戦したばかりの水戸ホーリーホックと天皇杯を戦い、中3日で今度は天皇杯前回覇者でもあるヴァンフォーレ甲府とリーグ戦を戦う。
水戸戦翌日の8日にフアン・エスナイデル監督が指揮を執る新体制が発足した。3連戦の前半は中山元気コーチが指揮官として率い、連戦ラストマッチはエスナイデル監督が率いる。その点でも激動という言葉が当てはまる一週間だ。

それに物理的にも激しく動いた。水戸に遠征していた選手やスタッフは8日早朝の飛行機で帰山。同日のトレーニングはコンディション調整に当てたが、翌9日は休みなく甲府戦に備えている。そして甲府戦に選ばれたメンバーは試合前日の10日に一路山梨県へ。遠征疲労が避けられない日程となっている。
メンタル的にも肉体的にもハードだが、短い期間で新指揮官がどれだけ戦術を落とし込んでいるか、手腕には大いに期待が懸かる。
エスナイデル監督といえば千葉時代のハイライン、ハイプレスが印象に残る。レノファで再びそれを用いるのか、別の手法を用いるのか、甲府戦で全てを明かすのは難しいと考えられるが、やりたいスタイルの片鱗は感じられるだろう。エスナイデル監督は8日の記者会見で、次のように抱負を語っている。

「準備をするプレシーズン期間はないが、少しずつ時間を掛けてでもやっていきたい。日曜日の試合でも変化を感じられるのではないか。少しずつ違うことをやり始めたい」
対戦相手の甲府は天皇杯前回大会を制し、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)への参加資格を得ている。ACLのハードな日程に備えて選手層の増強を図り、2チーム分を保持できるような体制を構築。実際に水曜日の天皇杯ではレノファ以上に選手の入れ替えを行い、先発のうち10人が直近のリーグ戦とは異なる顔ぶれとなった。
その分、1週間前のリーグ戦を戦ったメンバーは十分に体力を温存して今節に備えているだろう。予想フォーメーション図もリーグ戦の前節とほぼ同じ形で配置した。
甲府のスタイルで特徴的なのは、今季のJ2で随一と言っても良い手堅さだろう。FC町田ゼルビアの守備メソッドとも一線を画し、甲府は極めて組織されたディフェンスでゴールを守り抜いている。1-0で勝ち切る試合が多く、今季はリーグ戦で10勝を挙げているが、実に6回が1-0での勝利だ。さらに水曜日の天皇杯2回戦も長崎に1-0で勝利している。
レノファにとっては先制されると難しい試合になってしまうため、相手の攻撃を確実に無力化したい。
甲府は最前線にピーター・ウタカ(背番号99)を置いてターゲットとし、ウタカが収めたボールから長谷川元希(背番号10)、武富孝介(背番号8)などが絡んでくる。
ウタカに仕事をさせないことが一番のポイントだが、そのためにも重要なのがサイドでの対応だ。甲府の右サイドは関口正大(背番号23)がオーバーラップするタイミングが良く、彼を武富や荒木翔(背番号7)が上手く生かしている。レノファは左サイドがマッチアップすることになり、7.石川啓人や11.田中稔也などを背後の14.沼田圭悟が動かして攻撃参加を制限させたい。

一方、レノファの攻撃局面で必要なものは積極性とクオリティーに尽きる。甲府はセットプレーの守備では明瞭にゾーンディフェンスを敷くが、流れの中の守備でも確実に網を張り、嫌なエリアでボールを持たせないようにしている。ここにレノファの選手が飛び込むには、点と点を合わせるような質とゴールに挑む積極性が必要になる。

レノファでも注目したいのは右サイドだ。仮に図の通りのフォーメーションで行くならば、2.高橋秀典が軽快に右サイドを攻め上がり、田中や16.吉岡雅和と絡んでクロスボールを何度も供給するだろう。吉岡が右サイドを深く突いて相手のバランスを崩すというシーンも見られるはずだ。そうして相手を動かせれば、得点の有無は最後のクオリティーに集約される。
もちろん新体制になってメンバーやシステムが入れ替わる可能性はあるが、基本的にはお互いに右肩上がりの戦いになると予想される。右で作って左で仕留めるというような形をより多く出せたチームが、今節の主導権を握って試合を進められそうだ。
激動のサッカーウィークを締めくくる敵地での激戦。新体制初戦もレノファは目指すは勝利のみだ!
エスナイデル体制の初陣から攻撃姿勢を前面に出し、迫力を持ってゴールへと迫っていこう!
今節は周南市、萩市などでパブリックビューイングが予定されているほか、山口市民会館では「ファンクラブ会」として、事前応募に当選された方を対象にトークショーやサイン会が行われる。
開催ために奔走いただいた皆様の尽力で、今年はパブリックビューイングが行われる会場が増え、一部は定期的に開かれるようになってきた。レノファの輪がさらに広まると、各会場とも一層盛り上がっていきそうだ。
パブリックビューイングの一番の良さは誰でも見られる手軽さ。地元の人も、通りかかった人も、誰でも観戦することができ、地元以外のレノファサポーターももちろん行くことができる。今日はそんな「地元以外のパブリックビューイングに顔を出す」という楽しみ方を提案してみたい。
というのも、山口市から萩会場に駆けつけたボランティアグループ「Team BONDS」の方が、「萩は山口市からだとプチ旅行気分味わえるから楽しい」とツイートしていたのを見かけたのだ。市内の商店街を巡り、地元野菜も買って帰ったそうで、レノファつながりで素顔の萩の良さを知る機会になったという。
東西南北に広がり、豊かな風土に恵まれた山口県。あちこちのパブリックビューイングに顔を出して郷土の魅力に触れる「プチ旅行」は、思いがけない出会いや発見をもたらしてくれそうだ。
今週末の会場のうち、萩会場は市立児童館のウッドデッキを使う(※雨天時や日差しの関係で変更の場合あり)。ここは1719年に開校した萩藩校明倫館、貴重な浮世絵が多数コレクションされている県立萩美術館・浦上記念館に近く、ちょっと歩くだけでも存分に観光気分を味わえる。
施設向かい側の明倫センターや中央公園に観光客向けの有料駐車場が整備されているほか、明倫センターに停車する高速バス(スーパーはぎ号)が4月から8往復に倍増され、新山口駅方面からの訪問が容易になった。残念ながら16時キックオフの場合、帰りは通常の路線バスとなるが、萩を堪能して最後にパブリックビューイングで応援して帰るというのも日曜日の過ごし方としては良いものだろう。
周南の会場は市立徳山駅前図書館2階のインフォメーションスペースで、徳山駅のみゆき口(北口)にある大型ビジョンを使って放映している。徳山駅は交通の要衝でもあり、いろいろな手段で訪れやすい。会場では飲食ブースも設けられる予定だ。
萩や周南で観光したり、お買い物を楽しんだり、道すがら親しい仲間同士で会話に花を咲かせたり。今からでも計画できるパブリックビューイングへの旅は、きっと楽しいものになるはず!
今週末はフアン・エスナイデル監督体制での初陣。現地の小瀬ことJITリサイクルインクスタジアムで観戦される方もいれば、家やお気に入りの場所でDAZN観戦する方もいらっしゃると思う。そして、あえて遠方のパブリックビューイングを目指した「プチ旅行」も観戦メニューに加えてみてはどうだろうか。



2023年6月6日現在
