

今シーズンの前半戦も残すところあと2試合。いずれもホームゲームで、6月2日午後2時から清水エスパルス、同8日午後7時からジェフユナイテッド千葉と対戦する。まずは今節の清水戦が大一番。首位をひた走る清水にレノファが総力で臨む試合だ。
清水は選手層が厚く、言うまでもなくJ2トップクラスの戦力を保持する。ただ個の力に頼った戦術ではなく、球際に厳しく戦い、攻守の切り替えもスピーディー。前線はバランスが良く、シンプルに展開しつつ、今季ここまで8得点の北川航也(背番号23)、昨季をレノファでプレーした矢島慎也(同21)などがペナルティーエリアにするすると入る。
さらにボランチも積極的に進出して背後を取っていくのは特徴的で、前節の水戸ホーリーホック戦ではボランチの白崎凌兵(同41)がヘディングシュートをしずめている。そのほか前線の北川やカルリーニョス・ジュニオ(同10)、ルーカス・ブラガ(同11)は献身的に上下動してボールに触り、流動性の高い攻撃を繰り広げる。
レノファ守備陣にとってはターゲットを絞りにくく、かなり押し込まれる時間も出てくるだろう。一番やられてはいけないのが自ゴール前だという原則に立ち、前線や中盤からのプレッシングで相手をサイドに押し出していくことが重要になる。
前節の大分トリニータ戦でも前線からのプレスが掛かりにくい時間帯もあったが、サイドに相手を押し出して無失点に抑えた。その経験をプラスに変え、耐えるべき時間を耐えられれば、チャンスは必ずやってくる。
当然ながら相手が前向きな矢印を持ち、人数を掛けて攻撃をしてくるだけに、レノファが良い位置でボールを奪うことができれば、相手の背後のスペースは活用できる。今節は24.梅木翼が出場停止、18.相田勇樹も負傷が伝えられており、プレスを担う顔ぶれはこれまでと異なるが、9.若月大和や37.田邉光平、ベテランの8.佐藤謙介などがクレバーに動き、守備から攻撃へとスムーズにつなげていきたい。
「大分戦は持たれる時間が長かったが、積極的に前に出て行くことで取れたシーンもあった。そういうところをもっとチャンスにつなげていければと思う。個人的にも相手が上位だからといって引くことはないし、積極的にゴールやアシストを狙っていきたい」
そう話すのはボランチの田邉だ。臆することなく首位チームに挑み、プレッシングやボール保持の質を高めて、チャンスを作っていきたい考えを示す。
試合は終始強度の高い攻防が繰り広げられそうだ。ただ夏前最後のデーゲームでもあり、暑さの中での戦いも避けられない。清水の強度にさらされることもあり、早いタイミングで選手交代をすることも十分に考えられる。出場停止選手もいる中、志垣良監督がどのような先発メンバーをチョイスし、どの時間帯で交代カードを切っていくのか、指揮官の采配にも注目したい。
今節は前節終了時点で6位に立つレノファ山口FCと首位清水エスパルスが対戦する。両チームのサポーター以外からも関心が集まる上位対決だ。
この試合を制することができれば、レノファはさらに上位へと進んでいける。
ホームの圧倒的な応援と相手を上回るハードワークで、6月の初戦も勝利の凱歌を打ち鳴らそう!
昨夏からレノファでプレーする6.キム・ボムヨン。ディフェンスラインのリーダー的存在で、一つ一つのプレーに熱を込める。今季はベンチスタートになる試合もあったが、直近5試合はフル出場が続き、無失点の試合作りにも貢献する。
「僕だけでなく、みんなが勝点3を取りたいという気持ちが強いですし、勝利のために戦いたいという気持ちが強いです。それが今の山口の力。もっともっと成長できるし、もっと上に行きたいと思います」
その「もっともっと」という気持ちを反映するキムの気迫あふれるプレーと声は頼もしい。ただ、今季は決してキムの声ばかりが目立つわけではなく、全員で声を出し合えているのも強さの秘訣。キムは若手の奮闘にも目を向けて、チームの変化を感じ取る。
「キャプテンのコータ(河野孝汰選手)からも声が出ているし、年齢に関係なくリーダーが引っ張ってくれるのが一番良いことです。それが今のチームですし、声が出ているのは去年と違うところだと思います」
プレーの面でも、「全員で良いポジショニングがとれています。ミーティングでも練習でも細かくやっていて、戻るべきポジションに戻ってくるとか、守るとかの気持ちも強くなっているのが、失点の少なさにつながっています」と語り、声とプレーの両面での守備力アップに手応えを深める。
ポジションは守備の中心となるセンターバックが多いが、サイドバックでプレーすることもある。空中戦や地上戦を問わず対人守備に強く、攻撃時のセットプレーではターゲットの一人となってゴールも狙う。今節も相手FW陣との熱い攻防が見られるだろう。
キムは大学までを韓国で過ごし、2013年に初来日。モンテディオ山形、サンフレッチェ広島でJ1リーグの舞台にも立ち、清水エスパルスでもプレーした。今節の古巣戦に向けて、キムは「清水からは離れて長いですが、印象が良いチームですし、戦うことができるのは楽しみ」と話す。難しい試合展開になることも想定されるが、守備のファイターは「100パーセントを出すこと」を目標に掲げる。
「清水は1位ですが、J2は毎試合毎試合100パーセントを出さないと勝てない。清水戦だからもっと頑張ろうではなくて、いつも通りに100パーセントのプレーをやれれば、勝ちにつながると思います。ホーム戦ですし、自信を持ってやりたいと思います」
今のレノファは少ない失点数で試合を運べているだけでなく、仮に失点してもそれを取り返す力がある。ホーム戦での勝率も回復基調。熱い試合を経て白星を引き寄せると、キムは「やまぐち一番」で最前列に躍り出て、パフォーマンスを披露する。試合ではピッチ内の選手を励まし、試合が終わってもスタンドを盛り上げる元気印だ。
「順位で気持ちも違うと思います。下にいるとまた負けるのかなという感じもありますし、失点すると気持ちが切れてしまうこともあります。去年はそういうことも感じましたが、今年はもっと上に行きたいという気持ちが強いですし、負ける気がしない。みんなで信頼してプレーしているのが力になっています」
勝利を重ねるチームをさらに盛り上げていくキム・ボムヨン。
古巣戦の今節もガッツあふれるプレーで、スタジアムを笑顔にしてみせる。

(前節の大分戦は)もっと自分たちでボールを持つ時間を増やし、自分たちも相手と同じように回すようにできれば良かったと思います。もっと工夫して攻撃ができるようにしていきたいです。前線としてはもっと収められるシーンもありますし、後ろがきついときに、いかに前線の選手が収めて時間を作れるかも大事です。前線と後ろがお互いにうまくやっていきたいと思います。
ツバサくん(梅木翼選手)は出られないですが、前々節も全員で走って勝てたということがあります。(梅木選手のように)競り勝つ強さも必要ですが、誰が出ても遜色ないくらいに全員でハードワークし、足りない部分も補えています。カズヤくん(野寄和哉選手)が一人で運んでクロスというところもありますし、試合をやっていく中で良い関係性を築けています。そこは自分たちの強みにもしていきたいと思います。
清水は一人一人の個がうまいですが、相手がどうやってくるかを見て、その中で自分たちがどう立ち回れるかが大事です。いつも以上に球際のところも集中して戦っていかないといけないと思います。清水戦は厳しいゲームになると思いますが、全員でハードワークし、決定機を決め、全員でしっかり守るということを徹底できれば勝てると思います。
大分戦は想定と異なるようなことは特にはなかったですが、自分たちがボールを持つ時間は少なかったというところがありました。相手によって戦術は変わってきますので、この試合でボールが持てなかったから何かができていないということはないです。ただ、大分戦でボールを持てなかったということは修正していきたいと思います。
清水は強いチームで、個人の能力が高いというのがありますが、相手どうこうではなく、目の前の試合に勝つことが大事です。ツバサくん(梅木翼選手)は空中戦に強いですが、周りも頑張ってくれています。レノファはツバサくん頼みのチームではないですし、全部が空中戦のサッカーでもないですので、狙いは変えずにやっていきたいと思います。
個人的には試合に出させてもらうことで、いろいろなシチュエーションに対応しないといけない場面が出てきています。それは経験として積むことによって、次に生かせる材料になってきていると思います。(相手に対策されて)左足を消されてきているというのは感じますが、消されても関係なく、そこで突破できるだけの力を付けたいと思います。
前節フォーメーション
前節ハイライト
前回対戦ハイライト
スタッツ
清水エスパルス PICK UP PLAYER
矢島慎也 選手(背番号21)
精度の高いプレースキックや
自由自在な動きに要警戒
昨シーズンをレノファでプレーした矢島慎也は今年、清水でもスタメンに定着している。ボールを扱うテクニックは巧く、チームの上昇に貢献。清水ではサイドハーフが持ち場で、左右どちらでも質の高いプレーを見せる。古巣戦の今節は高いモチベーションで試合に臨むだろう。
今季はここまで2ゴールを挙げており、第13節栃木SC戦では数度のパス交換をしながらペナルティーエリアに入り、ループ気味のシュートを対角にしずめた。前節の水戸ホーリーホック戦では直接FKを蹴り、狙い澄ましたシュートをクロスバーの下面に当ててゴールイン。このゴールはレノファでは10.池上丈二の得意とする距離でもあり、高い位置で得るセットプレーの攻防は見応えがありそうだ。
サイドハーフのポジションではサイドに張った位置から味方と連係して内側に入っていったり、逆に内側から外へと逃げる動きをして、味方が上がってくるスペースを作ったりする。レノファ守備陣にとっては矢島を決して自由にさせてはいけないが、動きに翻弄されてしまうと隙を与えてしまう。ボールを持たれてもシュートやラストパスだけは打たせないような賢明な守備が必要になる。
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