

3連戦の2戦目は大分トリニータと大分市のレゾナックドーム大分で対戦する。
アウェイ戦の中では比較的近い場所で行われる試合。平日開催となってしまったのは少し残念ではあるが、チームにとっては移動距離が短く、連続出場となる選手も遠征疲労はそれほど感じずに戦えるはず。連戦をポジティブに捉えて試合に臨みたい。

大分は下平隆宏監督が指揮を執り、3連勝でシーズンをスタート。
その後もホームゲームに限れば開幕から4連勝中で、着実に勝点を積み上げている。前節終了時点で自動昇格圏内の2位に位置し、名塚善寛監督は「順位が物語っている。選手も去年よりもやるサッカーを理解してきている」と大分の地力に警戒を強めている。
そんな大分のフォーメーションは栃木SCと同じ3-4-2-1が予想される。ただ、大分のほうが守備ではコンパクトに、攻撃では幅を使うという戦術を徹底。個々の選手の「球離れ」が良く、ワンタッチ、ツータッチでぽんぽんとリズミカルにボールをつないでくる。
チーム全体でボールをつなぐ質は高いが、特にチェックしておきたいのは下関出身の野村直輝(背番号10)だ。今シーズンは1.5列目の位置でプレーし、今年はここまで全試合に先発出場。決定機に絡んでおり、前節もクロスボールから先制点と追加点をアシスト。さらに相手のミスを突いて今季2点目となるゴールも決めている。

野村直輝選手(背番号10)
野村の良さを引き出しているのが左ウイングバックの藤本一輝(背番号18)で、野村と連係してチャンスを拡大。両選手ともにパスを出したあとも動きを止めず、距離感の良いコンビネーションでサイドから突き崩している。
右ウイングバックの茂平(背番号16)も縦へのスピードがあるほか、2節前のジュビロ磐田戦ではFKの流れから鮮やかなバイシクルシュートをしずめている。
連戦を考慮して、フォーメーション図では左サイドを高畑奎汰(背番号17)と予想したが、いずれにしてもウイングバックとシャドーが絡む洗練されたコンビネーションをどこかで遮断しなければ、レノファは押し込まれた状態が続いてしまう。
名塚監督は大分攻撃陣への対応として「後ろからしっかりコーチングしないことには、やはり相手をつかまえられないし、(プレスを)強く行けない」と強調。トレーニングの内外で意思疎通を深めている15.前貴之や22.生駒仁が率先して声を出し、相手へのプレスの掛けどころをはっきりさせたい。
もっともレノファが攻撃で主導権を握る時間を増やせれば、相手に振り回されるリスクは小さくできる。特に古巣対戦となる28.小林成豪がプレーする左サイドは、後ろの14.沼田圭悟とのバランスも良く、サイドの攻防でレノファが先手を取れる可能性もあるだろう。

また、後ろからの声を頼りに前線から強くプレスを掛けられれば、レノファが高い位置でボールを奪い返し、「ショートカウンター」に出て行く機会も作れるはずだ。
直近2試合は相手の攻撃を受け止めてからカウンターに出て行く「ロングカウンター」が多くなった印象もあるが、より得点のチャンスが増えるショートカウンターもしっかりと狙いたい。
メンバーは両チームともに前節と入れ替える可能性がある。いわゆる「ターンオーバー」で、この試合で新たにチャンスを掴む選手もいるだろう。
レノファは2節前のブラウブリッツ秋田戦からメンバーを大きく変更しているが、選考外となった選手にとっては存在感を示す機会でもある。チームの底上げのためにも、ケガから復帰してきた4.神垣陸や10.池上丈二、J初出場を果たした41.国本玲央などにも期待したい。
もちろん1試合の出場にとどまっている元レノファ戦士、香川勇気(背番号2)との対戦が叶うかどうかも楽しみだ。

J2リーグは8試合を終えたが、依然として混戦のままでリーグが進んでいる。
レノファは勝点11で13位となっているが、8位から13位までが同じ勝点で並ぶ団子状態。
6位との勝点差もわずか3で、一つ勝てば大きくジャンプアップする。
そしてシーズンは序盤とはいえ、大分の昇格圏内での快走を防ぐためにも、レノファが絶対に勝点3を手にしたい試合だ。
2試合ぶりの勝利を目指し、現地とDAZNを通して声援を届けていこう!
(上田真之介)
今節は大阪市でパブリップビューイングが行われる予定だ。関西地方にはJ2クラブがなく、なかなかスタジアム観戦の機会がない関西のサポーターにとっては、仲間同士で盛り上がれる場になるだろう。ぜひレノファのオレンジに染まって過ごすひとときを楽しんでもらえればと思う。
そんなパブリックビューイングやDAZNでの観戦の参考になるものとして、アウェイ戦前のプレビューでは様々なデータを紹介してきた。今節もデータが試合観戦をより楽しくしてくれるはず。種々のデータの中で大分戦で特に注目したいのが、DAZN中継のハーフタイムと試合後に表示される「アタッキングサイド」だ。
アタッキングサイドは文字通り、攻撃時にどのサイドを使って仕掛けているかが分かるデータで、左サイド、中央、右サイドで分けて表示される。
レノファの前節は数字が分かりやすく実態を示していた。前半終了時のレノファの数値は、左51パーセント、中央21パーセント、右28パーセントと左サイド偏重。14.沼田圭悟、28.小林成豪で仕掛ける場面が多かったが、アタッキングサイドの数字もそれを反映していた。
しかし右サイドが低くなったのは決して狙い通りではなかった。名塚善寛監督は右サイドでの停滞を重く見て、前半終了直後から改善しようと選手たちに指示。16.吉岡雅和の推進力をより引き出すようにしたり、19.松橋優安を早い段階から投入して運動量を維持したりと手を打ち、後半は右サイドでの攻撃機会を増強。試合終了時にはアタッキングサイドは大きく変わり、左30パーセント、中央22パーセント、右48パーセントと逆転した。
両サイドからバランス良く攻めるのが理想的ではあるものの、栃木はMDPで紹介した左ウイングバック・福森健太にストロングがあっただけに、レノファは対面する右サイドを活性化させ、福森の攻撃参加を削る必要があった。前半はそれが叶わずに福森の攻撃参加を許し、失点にもつながってしまった。ただアタッキングサイドの数字が物語る問題点をハーフタイムで修正し、後半は盛り返すことに成功している。
そのように、修正すべき箇所を浮き彫りにできるデータの一つが「アタッキングサイド」というわけだ。
ちなみに前節の試合でいわきと対戦している大分は、アタッキングサイドが、左33パーセント、中央17パーセント、右が50パーセントだった。数字からは中央よりもサイドを多く使い、特に「右で作って左で仕留める」という動きを読み取ることができる。
右ウイングバックの茂平(背番号16)がポイントになっているのに加え、野村直輝(背番号10)が右サイドに流れてチャンスメークに参加するなど、サイドでの流動的かつハイクオリティーなコンビネーションは手強い。彼らの攻撃の良さを出させないためにも、やはりレノファは攻撃をし続け、相手が守備に足を使うような状況を作りたい。
フォーメーション図の顔ぶれで試合が行われるならば、必然的に大分は右サイドの数値が高く、レノファは左サイドの数値が高いというのが予想される。しかし、顔ぶれが入れ替われば、バトルを起こすべきサイドも変わってくる。前半が終わった時点での「アタッキングサイド」の数値を見れば、後半の戦い方をどう変化させるべきかが少し見えてくるかもしれない。
DAZNで試合を見ている人にとっては、ハーフタイムはちょうどご飯時。家族や友だち、パブリックビューイングの仲間たちと、「アタッキングサイド」から後半45分を占う時間にしても良さそうだ。



2023年4月4日現在