TOP HISTORY 15年の軌跡 リレーコラム

山本アンバサダーコラム

レノファの母体となった県サッカー教員団でDFとして国体に3度出場。1990年から16年間は監督を努め、チームを天皇杯に4度導いた。2006年のレノファ山口設立のメンバーの一人で、現在もクラブの「アンバサダー」としてホームゲームの運営やPR活動に携わる。2021年4月、取締役に就任。教師としては萩商工高、下関商業高、西京高の校長などを歴任し、山口高時代はレノファの河村孝社長の担任を努めた。選手たちとも親交が深く、オフは一緒に出かけることも。

第9話 2014年

上野監督体制スタート!
積極果敢に駆け抜けたJFL!
ついにJ3昇格をつかみ取る!

チーム創設9年目、2014年シーズン戦いの舞台はいよいよ”JFL”へ。前年度チームを率いた中山元気監督はユースチームの監督となり、新監督には故宮成隆初代監督や河村孝社長とも縁が深く広島・金沢・京都・新潟などでユースやトップチームの指揮を執り指導経験が豊富な上野展裕監督が就任しました。選手もこれまでレノファのために戦ってきた15人が退団し新戦力としてJFLやJリーグ経験選手が多く加入し新生レノファ山口がスタートします。夏の移籍期間にはミスター・レノファとして多くのファンやサポーターに愛された福原康太選手もチームを離れることになりました。一方、小塚和季選手(アルビレックス新潟)、藤本大選手(ロアッソ熊本)・山崎侑輝選手(ロアッソ熊本)たちが期限付き移籍で加わり戦力強化が図られていきました。

2014シーズン選手&スタッフ

2014年シーズンのJFLは昇格組の6クラブ(ファジアーノ岡山ネクスト・鹿児島ユナイテッド・ヴァンラーレ八戸・アスルクラロ沼津・マルヤス岡崎・レノファ山口)を含め14クラブでファーストステージ/セカンドステージを戦います。悲願のJリーグ入りを成し遂げるためには年間成績4位以内をつかみ取ることが必要となります。

志高くチームは一丸となりスタート。2014年3月16日、静岡県Honda都田サッカー場、記念すべき開幕戦となったファーストステージ第1節対HondaFC戦のスタメンは一森純(現:J1/ガンバ大阪)・高田健吾(現:広島県/福山シティFC)・池永航(現:JFL/FC大阪)・菊本侑希・内山勇斗・鳥養祐矢(現:J2/FC琉球)・岩渕良太(現:J3/藤枝MYFC)・馬場悠・平林輝良寛・島屋八徳岸田和人選手の11名です。『Jへの門番』と言われるHondaFCはやはり強かったですね。ゲームは1―3で負け開幕戦を勝利で飾ることはできませんでした。

JFL初勝利となる先制ゴールを決めた島屋選手を祝福するイレブン/2014年3月22日/vs栃木ウーヴァFC(2-0)

 第2節からは4連勝したものの上位チームにはなかなか勝ち切れず7勝1分5敗でファーストステージは6位と苦しみました。6月29日に行われた山口県選手権大会決勝でも徳山大学に競い負け敗退、6月はやや心が重くなる月となりました。中断期間を経て迎えたセカンドステージではチーム戦術も浸透する中、宮城雅史選手(現:J3/テゲバジャーロ宮崎)、小池龍太選手(現:J1/横浜F・マリノス)、小塚和希選手(現:J1/川崎フロンターレ)たちの躍動もあり9勝2分2敗で乗り切り2位でフィニュシュ。7月26日に行われたセカンドステージ第2節鹿児島ユナイテッド戦での勝利が大きかったように思います。宮城雅史選手の2得点、岸田和人選手の1得点で3―0の完封勝利を収め、その後好調な流れに乗り6連勝と順調に勝ち点を積み上げていきましたからね。11月9日の最終戦、栃木ウ―ヴァ戦のスタメン11名は一森純(現:J1/ガンバ大阪)・宮城雅史(現:J3/テゲバジャーロ宮崎)・小池龍太(現:J1/横浜F・マリノス)・池永航(現:JFL/FC大阪)・山崎侑輝・鳥養祐矢(現:J2/FC琉球)・岩渕良太(現:J3/藤枝MYFC)・小塚和希選手(現:J1/川崎フロンターレ)・平林輝良寛・島屋八徳岸田和人選手です。

前半終了間際に奪った岸田和人選手のゴールを粘り強く守り切り1―0で勝利。ゲーム後は最高の笑顔に包まれていましたね。ファーストステージは6位に沈みましたがセカンドステージは佐川印刷京都に次いで2位、そして年間総合順位4位以内を確定させることとなりました。あとは理事会での承認を願うばかりの日々が続きます。なおこのシーズンのJFL最多観客動員ゲームは11月2日に維新百年記念公園陸上競技場で開催されたレノファ山口対HondaFC戦での4568人です。(試合結果は1―1)、本当に素晴らしい雰囲気でしたね。レノファはホームでの平均観客数も2000人以上を記録し昇格基準の条件をクリアすることができました。

試合を重ねるごとにゴール裏のサポーターも増加

リーグ得点王には17得点挙げた岸田和人選手が輝きました。またJFL選抜チームの海外遠征メンバーに一森純・鳥養祐矢・岸田和人選手の3人が選出され貴重な経験を積みチームに還元することとなりました。帰国後、西京高校校長室に遠征の報告とお土産を持ってきてくれたことがつい昨日のようです。3人とも目がギラギラ輝いていましたらね。

2014年JFLベストイレブンには一森純・岸田和人選手が選出され、2人とともに福満隆貴選手(ヴェルスパ大分:現ジェフ千葉)も選ばれています。福満選手は得点ランキングでも岸田選手に次ぐ13得点を記録しています。2015年からはレノファに加入して大活躍してくれましたからね。

2014年11月19日のJリーグ理事会においてレノファ山口の「J3入会」が承認され2015年シーズンのJ3入りが正式決定しました。夕方には村井チェアマンから河村孝社長に吉報が届きました。記者会見場で河村社長がお祝いの花束を手に満面の笑みで受け答えしていたシーンは長く苦労してきた分、喜びがにじみ出ていました。レノファ山口のアンテナショップには「J3昇格!!遂にJの舞台へ!」という文字が張り出されました。ファン・サポーター・スポンサー・選手・監督・スタッフそして地域・行政、これまでクラブに関わったすべての人たちの力でついに「Jの舞台」にたどり着きました。空を見上げ大声で叫びました、”ミヤ、やっとここまで来たぞ”。

JFL4位となりJ3昇格を確定させた/2014年11月9日/vs栃木ウーヴァFC(1-0)

山口県内に初のプロサッカークラブが誕生、チーム創設10年目となる2015シーズンは、いよいよJリーグの舞台で並みいる強豪クラブに戦いを挑むことになります。オール・レノファ山口の熱い思いは脈々と引き継がれていくこととなります。


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