レノファ山口FC

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明治安田生命J2リーグ 第9節

ユアテックスタジアム仙台

4月10日14:00Kickoff

レノファ山口FC

レノファ山口FC

VS

matchschedule

ベガルタ仙台

初対戦の仙台戦! 多彩な攻撃でゴールに迫ろう!

今週末は昨シーズンまでJ1リーグを戦ってきたベガルタ仙台と初対戦します。大分トリニータ戦や徳島ヴォルティス戦と同様、レノファの現在地を測れる試合でもありますが、十分に勝機もあります。レノファのフットボールを表現して、勝利に結びつけていきたい試合です。

 

試合が行われるのは仙台市のユアテックスタジアム仙台(ユアスタ)です。球技専用のユアスタは見やすさやアクセスなどに優れており、観戦環境は国内屈指。ピッチコンディションもそれほど天候に左右されないため、純粋にサッカーを楽しめる試合になるでしょう。

 

ところで、レノファがユアスタに乗り込むのは初めてですが、宮城県では過去に何度か試合をした経験があります。いずれも対戦相手はソニー仙台FCで、2007年の天皇杯1回戦では宮城県サッカー場(みやぎ生協めぐみ野サッカー場、利府町)が会場となり、1-2の惜敗。2014年のJFL前期第10節では七ヶ浜サッカースタジアム(七ヶ浜町)が会場となり、0-1でやはり惜しくも敗れています。

 

宮城県で開催の公式戦としては今回が3回目。今度はベガルタ仙台に対して堂々と戦って、宮城県での初勝利も掴み取りたいですね!

 

 

仙台はどんなチーム? 質の高い連係に要注意!

 

ベガルタ仙台の指揮を執っているのは原崎政人監督です。
現役時代はフジタ工業サッカー部およびベルマーレ平塚(湘南ベルマーレ)で名塚善寛監督と一緒にプレーしています。2004年に引退したあとは大宮アルディージャや仙台でコーチを務め、昨シーズン終盤戦から監督に就任。名塚監督と原崎監督は「S級ライセンスを取った時の同期」(名塚監督)でもあります。

 

仙台の直近の戦績を見ていくと、先週の3連戦は1勝2敗。初戦のFC町田ゼルビアに0-3、ミッドウィーク開催の大分トリニータ戦も1-3と失点が止まらずに2連敗を喫しています。

連戦最終日はFW陣が得点を重ね、ヴァンフォーレ甲府に3-2で勝利。連敗は2で止まり、勝点14の4位で今節を迎えます。

 

3連戦で4得点8失点という状況はレノファと対照的ですが、ここまで4得点を挙げていた中山仁斗選手が町田戦で負傷、同じくFWの赤崎秀平選手が退団するなど前線の顔ぶれが変容。中盤でも富田晋伍選手が負傷離脱しています。そうした事情が、大味な数字に反映されているのかもしれません。

 

レノファでのプレー経験がある中山選手はまだ戦列復帰しそうにありませんが、それでも選手層は厚く、前節は皆川佑介選手と富樫敬真選手の2トップがゴールを挙げ、不安を払拭するような勝利を手にしました。

 

そんな前節の試合ではいくつか特徴的な動きがありました。一つはサイドでの連係です。サイドハーフの選手が内側に絞り、サイドバックが外側を駆け上がるという動きが多く、この連動からチャンスを作っていました。
仙台の4-4-2のフォーメーションに対して、相手の甲府が3-4-3のフォーメーションだったため、サイドの選手たちの連動でボランチの脇やウイングバックの背後を突くという狙いもうかがえます。

 

もう一つの特徴と言えるのが、サイドを変えずにシュートまで持ち込めるクオリティーです。上述のサイドアタックも、例えばボランチのフォギーニョ選手を起点に、右サイドハーフ、右サイドバックとボールが渡ってクロスを上げ、FWにシュートを託すというような攻撃を見せています。裏を返せば、右サイドから左サイドへと大きく転じるような展開はそれほどありませんでした。

 

仙台は一人一人の選手の基礎技術が高く、ボールを受けてから蹴り出すまでの動作が素早かったり、パスを出したあとも立ち止まらずに攻撃参加したりと、個人と組織の動きがしっかりとリンク。狭いエリアでも十分にパスをつなげるクオリティーがあり、同じサイドだけの崩しでも十分にシュートまで持ち込めています。

 

レノファ戦も甲府戦をベースにした戦い方をしてくるものと思いますが、甲府が3-4-3、レノファが4-3-3とフォーメーションが異なるため、仙台のサイドハーフやサイドバックがどこに立ち位置を取るかは見極めなければなりません。マークするべき選手がスカウティングと異なるケースも考えられるため、誰がどの選手を見るかを早めに判断して共有することが大事になりそうです。

 

ポジティブな要素は、レノファに仙台でプレーした選手が多くいることです。
残念ながら仙台からの期限付き移籍となっている20.田中渉選手は試合には出られませんが、仙台の監督や選手が入れ替わっても、チームに流れるフィロソフィーを知っているというのはとても大きなアドバンテージです。

 

3試合連続して無失点に抑えている守備陣の要、6.渡部博文選手と21.関憲太郎選手も仙台でプレーしてきました。レノファは無失点ゲームを3試合続けており、両選手には相手のストロングポイントを削るような守備に大きな期待が懸かります。

 

 

得点のカギは、「速攻」と「遅攻」の使い分け

 

仙台は失点が多い状況にはありますが、不運な失点もあり、失点数だけを見て守備に弱さがあると語るのは早合点ではあります。レノファが得点を重ねるためには、しっかりと狙いを定めて攻撃をしなければなりません。

 

仙台の直近の試合を見ていると、攻撃時にボールのあるサイドに重心が偏っている分、ボールを失った時の逆サイドや背後は少し手薄な印象を受けます。
レノファが攻撃に転じたときには、まずは背後を突くためにショートカウンターを狙い、それが難しければ大きな展開を視野に入れて、相手の人数が足りていない場所を狙うというのは有効かもしれません。

 

縦を意識しつつ、難しければ幅を使うという速攻と遅攻の使い分け。これはレノファが従前から取り組んできたオーソドックスな形ではあります。
しかし、「遅攻」と書くとはいえ、本当に時間を費やした遅い攻めになってしまうと、相手に容易にブロックを作られてしまいます。仙台の守り方を踏まえれば、サイドチェンジのパスもスピードを上げ、「遅いけれど速い遅攻」を多用するほうが良さそうです。

 

注目したいのは右サイドの選手たち。18.高木大輔選手は守から攻へすぐに切り替えて、素早くフリーになれる立ち位置を確保しています。後ろから攻め上がる7.石川啓人選手もコンディションは良好。高木選手の内側に入るか、外を周るかの判断が冴え、練習中からコンビネーションも、コミュニケーションもばっちりです。

 

また、前節後半から出場した9.岸田和人選手は背後への動き出しが特徴で、周りもそれを生かそうとシンプルにボールを送り出しています。レノファの最近の試合では、シュートまでに手数を掛けてしまうことが多々ありましたが、岸田選手の特徴を良く知る選手が多い右サイドは、長いボールのレシーバーや背後を突くラストパスの供給者として大きな役割を担うでしょう。

 

一方で20.田中渉選手が出られないため、左サイドがどのような顔ぶれになるのかも今節の見どころ。このポジションは競争が熱く、大宮戦で先発した33.山瀬功治選手、途中からピッチに立った26.神垣陸選手、それに11.島屋八徳選手も候補に挙がります。

顔ぶれによって攻撃のバリエーションは多少変わるため、名塚監督がどのような選択をするかは楽しみです。

 

長くJ1にいたチームとの対戦とはいえ、今の勝点差はわずかに3。レノファにも勝機があり、勝点3を手にできれば順位をひっくり返すことができます。

得点が大きく動く可能性もあれば、1点を争うような試合になる可能性もありますが、レノファは縦と幅の両方を狙って攻め続けることで、シュートへの道は開けるはずです。いつものように全力で挑んで、初対戦の相手から大きな勝利を掴み取りましょう!

 


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