レノファ山口からのメッセージ | RENOFA YAMAGUCHI

　私たちレノファ山口FCは将来のJリーグ参入を目指し、２００６年に設立されたサッカークラブです。日本には、皆さんご存知のＪリーグ（Ｊ１・Ｊ２）がありますが、その下にＪＦＬ（日本フットボールリーグ）という全国リーグが存在します。レノファ山口は現在、さらにその下の国内４部リーグに相当する中国社会人リーグに所属しています。つまり、私たちが目指す場所はＪリーグですが、その前にＪＦＬへ昇格しなくてはなりません。

　全国には北海道から九州までの９地域にそれぞれリーグがあり、全部で１００を超えるチームが所属しています。そのうちＪＦＬへ昇格できるのはわずか２～３チームです。この数少ない枠を巡る争いは大変厳しく、レノファ山口も過去３回全国の高い壁に阻まれ、昇格を逃しています。

　スポーツは限りない力を秘めています。いつの時代もスポーツは性別や年齢、職業、国などを越えて人と人とを繋げてきました。感動や喜び、悲しみ、苦しみといった人の心を動かしてきました。みなさんもスポーツを「したり」「見たり」する中で色んな人と出会ったり、泣いたり、笑ったりした経験があるのではないでしょうか。

　記憶に新しい東日本大震災は多くの犠牲者と甚大な被害をもたらし、我々の心に大きな傷が刻み込まれました。そんな状況の中、女子Ｗ杯で優勝した「なでしこジャパン」の雄姿は我々日本人に復興へ向けて強く立ち上がる勇気をもたらしました。

　私たちもスポーツの持つその力を信じています。そしてサッカーでこの山口の街を元気溢れる、幸せな街にしたいと考えています。

　現在日本のスポーツ界はサッカーに限らず、企業が母体となり企業が運営の舵を取るクラブづくりから、母体を持たずに市民や県民に支えられながら、企業もその一員として運営をしていく地域に根ざしたクラブづくりへのシフトチェンジが進んでいます。そして私たちもこのレノファ山口ＦＣというサッカークラブを「おらがまちのクラブ」として山口県に携わるみなさんと一緒に創っていきたいと考えています。

　私たちが掲げる究極のクラブ理想像は山口県民に愛され、山口県の誇りやシンボルのような存在として10年、20年…100年…と続くクラブになることです。スタジアムで、家庭で、会社や学校で…日常のあらゆる場所でレノファの話題で心が通い、山口県民のコミュニティとして、また生活の一部として日常に潤いや彩りを加えられるクラブになりたいと強く願っています。

　そして、目指しているＪＦＬやＪリーグへの昇格はその理想を実現するための最良の手段であり、絶対に欠かせないステップであると考えています。

現在全国には驚くべきことに、４３都道府県にスポーツのプロチームや全国リーグに参戦するトップチームが存在しますが（サッカーに限ると３４都道府県）、山口県にそういったチームは存在しません。プロやトップチームの存在は未来を担う子ども達をはじめとした街全体の心の拠り所として、また、トップレベルを目指す地元選手の受け皿としてその機能を果たすだけでなく、地元への愛着や帰属意識、街の一体感の醸成への貢献も期待できます。

　今、山口県に無いスポーツのトップチームを私たちはみなさんと共に創り、山口県に新しい歴史を残していきたいと考えています。

　JFLやJリーグに参入すると月に２～３度のホームゲームが山口で開かれます。街にはクラブのフラッグやポスターが掲げられ、街を挙げてその日を迎えます。オレンジ色の仲間達で埋めつくされたスタジアムではサポーターの大きなコールが響き渡り、お祭りのような熱気と活気で満ち溢れた非日常的なひとつの異空間が出来上がります。オレンジ色で染まったスタジアムの風景…想像しただけでドキドキしませんか？

　スタジアムでは子どもからお年寄りまでが家族や友人、恋人とそれぞれの時間を楽しみます。そこで出会う多くの人達、そして選手を含めた多くの仲間と感動や興奮を共有し、ひとつになれる場所、それがサッカーのスタジアムです。
　また、ホームゲームの日には山口県各地からだけでなく、大勢のアウェイチームのサポーターが山口県に訪れます。すると、会場や街での飲食をはじめ、移動、宿泊、観光、買い物などあらゆる場所で消費が行われ、さらに２次的３次的な波及効果が期待できます。同じ中国地方のチームの例を挙げると、ファジアーノ岡山のJFL在籍時代の経済効果は４．４億円、J2に昇格した年の経済効果は１１億円といわれています。また、今年J2に昇格したガイナーレ鳥取がもたらす経済効果は６．５億円と試算され、同様の効果は全国各地で認められています。

　多くの人や企業を取り込み、クラブが大きくなればなるほど大きな経済効果が期待でき、街の活性化や雇用の創出にも繋がります。サッカークラブは街の公共財として街の発展に寄与する優良なソフトと言えるのです。

　そして、世界中で愛されるサッカーでは４年に一度のＷ杯のほかにクラブ世界一を決めるクラブＷ杯が開催されています。クラブＷ杯は国内リーグや各大陸予選を勝ち抜いたクラブのみが出場するクラブのための大会です。つまり、平坦な道のりではありませんが、レノファ山口が世界の強豪と戦うチャンスがあるということです。私たちの街と世界はまさしく一本の道で繋がっているのです。

「山口から世界へ。」…サッカーはそんな可能性を秘めています。

　現在、レノファ山口ＦＣにはクラブの活動理念に共感した選手たちが、山口県内はもちろん全国各地から集まり、サッカー以外に仕事や家庭などを持ちながらも自分のため、クラブのため、山口のために人生を懸けて必死にプレーしています。

　強いチームを作るには、選手が全力でサッカーに専念できる環境や体制を整えることが重要ですが、現在のレノファ山口は選手に対してまだまだ十分な環境整備が出来ていない状況にあります。現在、多くのスポンサーやサポーター会員の方々からの支援を受け、チームの強化やクラブ運営に充てていますが、遠征や試合の開催経費、選手・スタッフの給料など多大な費用が必要となるためクラブの財政状況は芳しいものとは言えません…。一般的に資金とチームの強化は密接な関係にあると言われ、資金が潤沢であるほどチームの成績は向上していく傾向にあります。Jリーグに昇格し、活動していくためには数億円～１０数億円が必要といわれており、更なるチーム強化や安定的な財政基盤構築のためにはみなさんからのより一層の協力が必要となります。
もし、レノファ山口ＦＣの活動理念や必死に戦う選手の思いに共感いただけるなら、是非ともサポーター会員への入会やグッズの購入という形でのクラブの支援をお願いします。選手・スタッフが一丸となり勝利を掴み、みなさんの気持ちに応えたいと思います。
また、チーム強化のためにはクラブ自身も変わらなくてはなりません。現在、レノファ山口FCはNPO法人山口アスレチッククラブが運営していますが、クラブ理念実現に向けて永続的に運営を行うためには運営法人として株式会社を設立しなくてはなりません。株式会社化はJリーグに加盟するうえでの条件にも挙げられている重要な課題であり、他にも自治体の支援があることや多くの支援企業の存在などもJリーグ加盟の条件とされており、レノファ山口が乗り越えなくてはならない壁は数多く残っています。課題は山積みですが、山口初のプロサッカークラブを作る、街のシンボルとして山口の未来に貢献するという信念はいかなる状況でも揺らぐことはありません。今まで以上の努力と情熱で支援の輪を拡大させ、JFLやJリーグへ加盟するための準備を進めていきたいと考えています。
そして、レノファ山口が強く逞しいチームになるために必要なものは何よりも会場のみなさんからの声援です。おかげさまで、設立以来年々観客動員数は伸び続けており、現段階での最高観客動員数は１，６００人を記録しています。他の地域リーグでは数千から１万人を動員したクラブもあり、私たちもこれから２０００人、３０００人…１万人…とより多くのみなさんに来場してもらうことを目指すこととなります。その一方で、スタンドからの熱い視線や声援には数字以上の価値があることもまた事実です。みなさんの力強い声援や思いは選手の背中を強く押し、選手の足をもう一歩前へ運びます。選手の大きな力となり、私たちに戦う勇気と多くの勝ち点をもたらすことでしょう。是非、試合会場に来てください。チームが苦しい時を支えてください。そして喜びや感動を共有してください。私たちは12番目の選手として戦ってくれる仲間を必要としています。私たちと共に戦いましょう。

　私たちのふる里・山口。偉大な先人達が刻んだ深い歴史と壮大で豊かな自然が調和し、穏やかな街並みがその魅力を全国に発信しています。
「この街を、もっともっと魅力的で輝く街に。」
プロスポーツクラブには街を変える力があります。クラブを通して出会う仲間との時間や空間、感動や絆は街をひとつにします。皆が同じベクトルを向いた街は自然と活気づき、何よりも街への愛着が生まれます。みなさんはふる里・山口を愛していますか？私たちは「クラブづくり＝街づくり」だと考えています。共にクラブを、街を創りましょう。きっとみなさんも山口の街をもっと好きになれるはずです。　
レノファ山口FCは、まだまだ歩き始めたばかりの小さなクラブです。乗り越えなくてはならない壁は沢山あります。しかし、その壁も山口県のみなさんと一緒に戦えば必ず乗り越えられる、大きな夢も実現出来ると心から信じています。

みなさんと歩むオレンジロードは、

「Ｊ」の舞台、そして世界へと繋がっています。

「僕らの街にはレノファがある！」

そう大きな声で誇れる日を目指して挑戦していきます。

皆さん、スタジアムで会いましょう。