VOL.8「攻撃的GK」
♯34 西川 充 MITSURU NISHIKAWA
2010年シーズンMDP(6/27号)に掲載された記事です。
11人で行うサッカーにおいてGKのポジションは僅かに1。このポジションの枠を巡って今レノファでは熾烈な競争が起こっている。永きに渡って正GKの座を守り続ける#1澤野を脅かす、現段階においては第一候補といえるのが今季加入した#34西川充だ。
身長187cmはチーム№1、その佇まいからは圧倒的な存在感が漂う。
今季は開幕戦からベンチ入りし、6月6日の松江との首位決戦ではついに先発出場。試合は2l2の引き分けとなり勝点3こそ逃したものの、レノファの新守護神誕生、その可能性を十分に感じさせるプレーを見せた。
スタメンを告げられたのは前日の練習だった。「このタイミングで来たか」と少々の驚きはあったものの、90分間身長を生かしたハイボールの処理や決定機の阻止など好プレーを連発。実力を見事証明した。
「楽しい90分でした。でも、敢えてあの試合で起用されたのだと思うし、2失点を振り返るとやっぱり防がないと。課題はまだまだ沢山あります。」
1対1の局面を得意としており松江戦においてもピンチを何度となく防いだ西川だが、それ以上にこだわるスタイルがある。それは攻めるGK。
「手でも足でもボールを持ったらFWを見ています。その次にMF。最終ラインではビルドアップに参加して相手の嫌がる所にボールを積極的に出していきたいですね。レノファが目指すサッカーではGKにもその力は必要なので磨いていきたい。」そう語るように攻撃力では他のGKには負けない自信がある。
「今僕以外に3人GKがいて全員タイプが違ってみんな上手い。だから学ぶことが沢山あるし、お互い持っていない部分を吸収し合いながら成長していきたいです。その結果ピッチに立つことが出来れば一番良いですね。」
出身は広島県尾道市。5つ上の兄の影響を受けて小学1年生でサッカーを始めると小学4年生の時にGKに転身。高校卒業後は九州スポーツカレッジへ進み、その後バンディオンセ神戸(現在バンディオンセ加古川)、カマタマーレ讃岐に所属。「気持ちのあるチーム」と感じて入団したレノファは4チーム目になる。24歳になったばかりではあるが地域決勝大会の舞台にも2度進むなど経験は豊富だ。その経験を通して西川は今のレノファに大きな可能性を感じている。
「チームの雰囲気は今までのチームで一番良いと思う。年齢関係なく何でも言えて、選手間の壁が無い。18歳の沖田なんて僕のことすごくいじってきますよ(笑)そんな関係でも競争意識も強いし、とても良い緊張感があるチームですね。試合前はメンバー外の選手も全員で円陣を組んで握手して試合に入っています。一体感って試合を勝ち抜く上で絶対に必要なことだし今はJFLへ向けて良い感触があります。まだまだチームとして改善点はあるけど、伸びしろがあるってことですからね。」
山口に来て3ヶ月、生活にも徐々に慣れてきた。平日は仕事のほか、山口高校でGKコーチとして指導に当たっている。また、オフには同じく山口に住む兄と時間を過ごすことも多い。
「高校生を教えていますけどすごく素直で意欲ある子が多いので教え甲斐があります。レノファに入る前、指導者に専念することを考えていた時期もあったのでその経験を生かしつつ、僕自身も成長していきたいですね。山口の街はまだ分からない場所も多いですけど、ずいぶん慣れてきましたし、兄が周南に住んでいるので休みの日はたまに会っています。あとは親もすごく応援してくれていてよく試合を見に来ているので活躍する姿を見せたいですね。」
神戸、讃岐所属時の過去2度、JFL昇格を逃した経験がある。3度目の正直へ。
「今年は行ける」
ゴール前に立ちはだかる最後の「砦」ならぬ、昇格への最後の「切り札」として攻撃力に更なる磨きをかけるつもりだ。
♯34 GK 西川 充(にしかわ みつる)
1986年5月23日生 広島県尾道市出身
187cm・86kg 前所属:九州総合スポーツカレッジ
身長187cmはチーム№1。ハイボールの処理はもちろん決定的なピンチにおいてもビッグセーブを連発する。守備面だけでなく攻撃にもこだわりを持ち、攻めるGKとして攻撃の起点となる。

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