PICK UP PLAYER 中川 心平|RENOFA YAMAGUCHI FC

VOL.9「10番」

♯10 中川 心平 SHINPEI NAKAGAWA

2010年シーズンMDP(9/12号)に掲載された記事です。

IMG_3528.JPG 天皇杯2回戦の湘南ベルマーレ戦。両チームスコアレスで折り返した後半3分、レノファは一瞬の隙を突かれ失点してしまう。湘南の選手が放ったスーパーゴール、背番号10・中川心平はピッチの中ほどでその美しい軌道を目で追った。0-4の敗戦。レノファの、中川の天皇杯への挑戦が終わった。

 「相手が強くて楽しい時間だった。負けてしまったけどJ1相手でも取り組んできたサッカーが通用した部分も沢山あった。僕もチームも自信を掴んだし、チームが進んでいる方向性は間違っていない。」
そう振り返ると最大の目標であるJFL昇格へ気持ちを切り替えた。本当の勝負はこれからだ。

 サッカーを始めたのは小学3年生の時。二島中学校を卒業後は「全国での活躍をテレビで見た」ことをきっかけに高校サッカー界の名門・滝川第二高校(兵庫県)の門を叩く。仲間達にも恵まれ、3年時には選手権ベスト4の原動力となるまでに成長すると、その後、吉備国際大学を経てJFLの三菱水島FC(岡山県)へ。三菱水島FCでは2シーズンを過ごし、通算58試合に出場、10ゴールを挙げるなど主力として活躍した。

 2009年シーズンを前にレノファ山口へ加入。「地元・山口でサッカーがしたい」と考えていた中川にとってはレノファの存在が帰郷を決意する大きな動機となったのだ。
「プレーヤーとして、チームとして上を目指すこと。挑戦できる場所が山口にある。」実に9年ぶりの故郷凱旋となった中川は加入後すぐさま成長の跡をみせる。

生粋のストライカーというよりもチャンスメークに長けたプレーヤー。前線へ飛び出すだけでなく、中盤まで下がってボールを配給するなど攻撃にリズムを作る。質の高い動き出しと優れた感覚は月岡監督も「天才肌の選手」と評する。そんな中川も昨季は怪我に悩まされ、満足のいくシーズンを送ることが出来なかったが、レノファで2シーズン目となる今季は開幕から好調を維持、攻撃の核となるだけでなく前線から激しくチェックをかけるなど、守備面でも大きく貢献している。

 「FWとしてもちろん得点をとることは大事だけど、チームが勝つために局面を変えるプレーをすることやチームを救うゴールにこだわりたい。たった一回のチャンスをゴールすること。そういうFWを目指しています」

 今季は背番号を「10」に変更。周囲からの期待の大きさを表すが、「正直言うと、僕は背番号にあまりこだわりはない。でも周りは『10番』の選手として見るし、だからこそ、僕なりの『10番』でありたいと思っています」とあくまで自分のスタイルやペースを貫くつもりだ。

IMG_5607.JPG チームは現在首位を快走中。夏場の厳しいトレーニングでは心身を限界まで追い込んだ。そして天皇杯を経て、チームは一段と強さとたくましさを増している。

 「レノファってすごく若いチームで、日々レベルアップを実感しています。まとまってきているし、監督が言う『気持ち』の面もみんな理解している。敵は自分の中にいるんですよね、心も体も良い準備をして試合に臨む。そういった意識や気持ちの問題の大切さを今年は本当に感じています」と進化するチームに手応えを感じる中川、彼にとって山口は特別な場所だ。

 「山口のこと、二島のことは大好きだし、家族には本当に感謝しています。大好きなサッカーに思い切り打ち込めるのも家族のおかげ。職場の人達や友人も試合に見に来てくれたり、激励のメールをくれたりして、本当周りの人達には恵まれているなと思います。やっぱり『山口のために』っていう思いはあるし、僕に出来ることは試合に出続けること。レノファが強くなって応援の輪が大きくなればうれしいですね」



中川へ向けられるサポーターからのコールがある。
山口から「J」へ。
「気に入っている」というそのコールのリズムに合わせて、
背番号「10」がふる里の夢をカタチにする。

♯10 FW 中川 心平(なかがわ しんぺい)
1984年11月7日生。山口県山口市出身。
169cm 62kg
前所属:三菱水島FC
2009年加入。昨季はケガに悩まされたが、背番号を10に変更した今季は開幕から好調を維持。得点だけでなくチャンスを演出するプレースタイルの広さを長所とする。